セロトニンニューロン系の錐体外路系機構に対する役割 免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
60226019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
佐野 豊 京都府立医科大学, 医, 教授 (00079683)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | セロトニン / 錐体外路系 / 免疫組織化学 / アミンニューロン |
Research Abstract |
錐体外路系機能に対するセロトニンニューロンの役割を明らかにする目的で、各種哺乳類(ラット、ネコおよびサル)の錐体外路系諸核(線条体、視床下核、黒質)におけるセロトニン線維の分布を、浮遊切片PAP法を用いて、免疫組織化学的に検索した。 線条体:新線条体(尾状核と被殻)に分布するセロトニン線維は、明瞭な、無数の小結節を含む有節線維からなり、密な神経網を形成していた。その分布密度は中枢全域のそれと対比したとき、ほぼ中等度と判断され、腹、内、尾側部において濃密で、淡匹球との境界領域ではとくに密であった。サルでは内、外髄板に沿って走行する神経路を構成する太い線維が顕著な発達を示していた。ラットおよびネコの古線条体(淡蒼球、脚内核)およびサルの淡蒼球内節は、繊細な小結節線維によりび慢性の密な分布を受けているが、サルの淡蒼球外節で疎な分布がみられることは特徴的であった。 視床下核:繊細な網状の有節性線維の分布がみとめられたが、その分布密度はサルにおいてもっとも高く、ラットにおいてもっとも低かった。ラットとネコではセロトニン線維は一様の分布を示すのに反し、サルでは核内における局所的分布密度の差が明瞭で、とりわけ腹内側部が密な分布を受けていた。また貫通線維としてこの核領域を貫く神経路を構成する線維の発達も明瞭二観察された。 黒質:網状の有節性線維がすべての動物の黒質でみとめられたが、一般に緻密帯で疎、網状帯で密であった。この核では、サルにおいて局所的分布密度の差が顕著で、櫛状に濃厚な部位が存在していた。 錐体外路系諸核は上記のように、すべて豊富なセロトニン線維の分布を受けていた。現在はこれらの線維のニューロンに対するシナプス形成の状態を電顕的に追究し、セロトニンの運動機能発現に対するコントロール機構を解明しつつある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)