固体表面の超ミクロ構造の直接観察法の開発とその応用
Project/Area Number |
60229006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
市ノ川 竹男 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70063310)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 低エネルギー電界放射電子銃の高分解能化 / 高分解能固体表面解析装置の開発 / 電界放射電子のエネルギー分布 |
Research Abstract |
固体表面の超ミクロ構造を直接觀察するためには、低エネルギー(100eV〜3keV)で高分解能の電界放射型電子銃を開発することが必要である。本研究では、從来えられている100eVで2000Åの分解能を100Åまで高分解能化することを目的とした。 このために次の2つの実験を試み、高分解能化するために電子光学系に対して行わなければならない必要條件を見出した。 (1)電界液体イオン源で用いられている處法を利用し、高電界中で液体Ga又はGa合金のチップを製作し、電界液体イオン源とは逆電圧をかけて、数100Vの低エネルギーの電界放射電子を引出す方法を試みた。(2)タングステン〈310〉方位の單結晶チップを用い、低エネルギーになると分解能が劣化する原因が、放出する電子のエネルギーの拡がりによる色收差であると考え、放出する電子のエネルギー選別を行うことと、対物レンズを強励磁で励起し、色收差係数を数分の1に減少させることを試みた。 (1)の試みは、チップ曲率半径がタングステンに比べ数分の1に減少することを行らかにしたが、チップ温度500℃で用いるため、放出電子の色收差が大きく、從来のタングステン・チップに比べて分解能は向上しないことが、結論づけられた。これに比べ(2)の放出電子のエネルギー選別フルターと色收差係数の小さい対物レンズを用いる方法は高分解能化に有効で、從来のものに比べ、数倍分解能が向上することが確認された。 この結果、電界放射電子銃を用いた電子光学系で、低エネルギーでしかも高分解能化するためにはエネルギー選別器とワーキング距離の小さな対物レンズを用いた電子光学系が必要であることを結論づけ、これに最適な電子光学系の設計を試み、理論的に200eVの電子に対し、100Å分解能の走査型電子顕微鏡が可能であることを明かにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)