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¥12,000,000 (Direct Cost: ¥12,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥12,000,000 (Direct Cost: ¥12,000,000)
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Research Abstract |
軟弱粘性土地盤上の盛土構造物の地震時安定性について定量的知見を得ることを目的に, 以下に示す手法を用いて研究を行った. 即ち, 1.試料として塑性指数IPが10の中間土を用い, これに対し一連の繰り返し三軸試験を行い, その動的特性を調べた. 2.小型模型によっても相似則を満足し得る遠心力場内での模型振動実験を行うために, 新に遠心模型実験装置に搭載可能な振動システムを開発した. 3.上記振動システムを用い, 深さ方向に強度が増加する基礎地盤とその上の盛土からなる模型に対し50gの遠心加速度の下で振動実験を行い, 振動中及び振動後の地盤変形, 間隙水圧, 応答加速度等を測定した. 4.解析として震度法による安定計算, Sliding Block Analysisを用いた沈下計算を行い, その適用性についても検討した. その結果以下の結論を得た. 即ち, 1.繰り返し載荷により中間土供試体の強度は低下し, その低減率は繰り返し回数の対数と応力振幅レベルに比例する. 2.地震動による軟弱な中間土地盤上の盛土の破壊は, 円弧すべりで仮定するようなものとはならず, 盛土下の地盤が左右対称にセン断変形しそれに伴って盛土が沈下するメカニズムである. 3.振動中に発生する盛土の沈下量は, 静的安全率が小さなものほど, また水平震度が大きなものほど大きくなり, 特に水平震度が大きな場合には, 地盤の剛性が低下し, より大きな沈下が発生する. 4.振動中, 盛土直下の地盤上部の間隙水圧は減少傾向を示す. 5.1.によって明らかとなった土要素の振動に伴う強度低下を考慮すると, 比較的簡便なSliding Block Analysisによっても, 地震時の盛土の沈下量を精度良く予測することができる.
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