Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1986: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1985: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
61年度に引き続き,今年度も夏に15日間の現地調査を行い,ライフヒストリーの集收.参与観察を行った. ライフヒストリーの集收が不充分であり,その他の資料も含め分析はまだ完了していないが,1950ー55年頃を境に老人の位置づけや老いの意味づけが変ってきたことは疑いないと思われる. それは一言で言えば,老人を積極的に意味づける「伝統的」な老人観から,福祉国家における被扶養者としてのマイナスの位置づけへの変化と要約することができるであろう(伝統的な老人観を支えている権威については61年度実績報告書に要約した). このような変化を惹起した原因としてはさまざまな要因が考えられるが,次のようなものが重要であると思われる. 1.テクノロジーー医療・衛生に関する技術の進歩に伴い人口高齢化が進み人口構造が一変する一方,老人のもつ知識の評価が急落した. 2.福祉政策ー復帰後福祉政策は「本土並み」となり,老人が家族と離れても生活しうるようになった. 3.過疎化と職業構造の変化ー非農化が進み,中年若年層の離村が進む中で,高齢者がとり残されるという現象が生じている. 4.「核家族」化 3,5と呼応し,高齢者だけの夫婦世帯・単身世帯が増えている. 5.情報化ー若年層の中には老親との同居を拒否する者も増えている. 沖縄調査の分析に加えて,一方で文献によりいわゆる近代産業社会における老いの問題を現在整理中であり,「近代化」と老いの問題を考えるのが,今後の課題である.
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