正方晶鉄合金の磁性-特に高飽和磁化と巨大磁気異方性について-
Project/Area Number |
60460035
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
近角 聡信 慶応大, 理工学部, 教授 (10013450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 英紀 慶大, 理工学部, 専任講師 (70166180)
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Project Period (FY) |
1985 – 1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥7,300,000 (Direct Cost: ¥7,300,000)
Fiscal Year 1986: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 1985: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 磁気異方性 / 誘導磁化 / 永久磁石 / 磁化ベクトル / 体積効果 / 鉄窒化膜 / 【Fe_3】N |
Research Abstract |
今年度は、1 鉄窒化膜の作成条件の決定とこれらの薄膜の磁性、2 正方晶永久磁石R-Fe-Bの磁化と巨大磁気異方性、3 Fe-Sn合金の磁気異方性と磁化、4 【Ni_3】Mn合金の巨大一方向誘導磁気異方性、などの研究を行った。 本年度の設備備品として購入した日本真空技術(株)の高周波スパッタリング装置を改良して、反応型スパッタリングやイオン窒化ができるようにした。これを使って鉄窒化膜を作成することに成功した。膜作成時の条件を色々変えながら、鉄窒化膜の構造を精密X線回折(前年度購入備品)で調べた。その結果、【Fe_(1-r)】【N_x】膜の組成比xを0から0.5まで連続的に変えられることが判り、これらの磁性を調べた。(86応用磁気学会、物理学会で発表)。但し、目的とする【Fe_8】Nは、この報告書を提出する段階では、まだ得られていない。基板温度とガス流量の正確な制御が必要と思われるので、改良をしている。2の正方晶R-Fe-Bの磁性研究は大いに進展した。前年度製作した強磁場用トルク計(JJAPに発表)を用いて、磁気異方性定数【K_1】,【K_2】,【K_3】の温度変化とR原子依存性を世界に先駆けて決定した('86M3会議及びJAPで発表)。又、この異方性定数を用いて永久磁石の減磁曲線を定量的に説明できた('87Intermag会議にて発表)。単結晶【Nd_2】【Fe_(14)】Bの磁化ベクトルの空間・温度依存性を測定し、8つの磁区の動きから説明できた(JJAP投稿中、ISMIC'87会議で発表)。3のFe-Snは体心立方構造を持つ合金であるが、低濃度のSnを加えるとFe原子の磁気モーメントが増加することが初めて判った。これは体積効果の一種と考えられ、予想どうりの結果となった(86応用磁気学会で発表)。4の【Ni_3】Mnを磁場中冷却すると一方向磁気異方性定数が誘導され、50Kから4Kまで冷却すると約100倍に増加することが判った(Journal投稿中)。 このように今年度はいろいろな成果を得ることができた。近日全報告をまとめたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)