PETによるグルコース代謝測定と移行率(k∋,k⊇)の取扱いに関する研究
Project/Area Number |
60480331
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
平川 公義 京府医大, 医学部, 教授 (00010166)
|
Project Period (FY) |
1985 – 1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1985: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | グルコース代謝率 / 【^(18)F】DG / 糖輸送 / 速度定数(【k_1】,【k_3】) / ヘキソカイネース活性 / コンピューター演算処理 |
Research Abstract |
ポジトロンCT(PET)を用いて、ヒト脳腫瘍患者20例に対して 【^(18)F】デオキシグルコース(【^(18)F】DG)によるブドウ糖代謝率(MRGlu)を測定し、4症例7回について【^(18)F】DGの移行率ないしは速度定数(【K_1】,【K_3】)を解析した。因みに【K_1】はブドウ糖が血液脳関門を通過する率、【K_3】はヘキソカイネース活性を表わすとされる。 本研究では、【K_1】〜【K_4】を演算処理の対象とした。動脈血中の【^(18)F】濃度については、濃度のピークまでは直線勾配、ピーク以降を3項の自然対数として逐次近似を行い、検査開始から60分までの血中濃度(Cp)を継時的に測定し、Cpに関わる8個の助変数を求めた後、Huangの変換関数に基いて畳込みを行った。ポジトロンカメラにより得られた脳内【^(18)F】濃度についても逐次近似を行い、速度定数を求めた。この方法により【K_1】,【K_2】値の信頼度を高めることができた。 測定結果を示すと、髄膜腫の1例では、腫瘍部分の値は【K_1】=0.0256、【K_3】=0.0747であったに対して、腫瘍対側の皮質では【K_1】=0.0453、【K_3】=0.0647であり、腫瘍では皮質と比較して【K_1】の低下、【K_3】の上昇がみられた。悪性グリオーマ例でも同様の傾向を示したが、【K_3】上昇はより顕著であった。コバルト照射前後で比較した1例では、【K_1】、【K_3】値に著変はなかったが、Cp/Lc*【K_1】・【K_3】/(【K_2】+【K_3】)(但しLp:lamped Constant)の値は低下し、これにより求めたMRGluは腫瘍部で低下し、対側皮質で上昇した。従来のソコロフの式など幾つかの方法から求めた代謝率から判定する腫瘍の悪性度評価よりも、本法の方が腫瘍の代謝機序により密接したものであり、悪性度判定法として有用なものかと思われる。今後、症例を重ね、一層、解析を進めていく予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)