財務論における経時的モデルの理論的および実証的研究
Project/Area Number |
60530068
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
商学・経営学
|
Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
沢木 勝茂 南山大, 経営学部, 教授 (80065482)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村本 正生 南山大学, 経営学部, 助教授 (60065472)
高橋 弘一 南山大学, 経営学部, 助教授 (00065468)
田畑 吉雄 大阪大学, 経済学部, 教授 (30028047)
|
Project Period (FY) |
1985 – 1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 資産評価モデル / 連続的取引 / 株価収益率 / オプション評価モデル / ポートフォリオ選択 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は,次の3つから成る。 1.経時的資産評価モデルの理論的研究成果を論文にまとめた。その内容は次のとおりである。 (1)従来の資産評価モデルでは不確実性の源泉たる確率過程としてウィーナー過程を仮定したが、そこでの結論はより一般的なセミ・マーチンゲールの下でも成立し、証券の均衡価格は確率過程に関して頑健的である。 (2)従来のウィーナー過程の下での資産評価モデルにおいて比例的取引費用を導入すると総取引費用が発散したが、ウィーナー過程のような確率過程から単調過程を分離して取り出すことにより有限な比例的取引費用を導入することが可能である。 2.日本の株価収益率の確率分布について統計的推定を行なった結果、次の分布特性が明らかになった。 (1)産業ポートフォリオの収益率は分布として対称性を示すが、個々の企業収益率はそのような対称性を有しない。 (2)投資家の予想を反映する正規分布の仮定は、実証研究の結果、統計的に検討されなかった。従って、分布の定常性の仮定も実証的には支持されない。 (3)日本の株式収益率の分布は、過去10年間の月次データに関する限り、米国のようなstableなパレート分布であると結論できない。 3オプション評価モデルにおけるオプション証券の均衡価格式を、従来の導出方法とは全く別の方法により、最適停止問題の最適解として導出した。この方法は、従来のように確率徴分方程式を用いないから、転換社債の市場価格の評価への応用など実証研究の立場からより有効である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)