罹病残渣の嫌気的発酵処理による土壌病菌の不活化に関する研究
Project/Area Number |
60560053
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物保護
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田中 欽二 佐賀大, 農学部, 助手 (50039335)
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Project Period (FY) |
1985 – 1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1986: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1985: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 嫌気的発酵 / 土壌病原菌 / 不活化 / 湛水処理 |
Research Abstract |
佐賀県杵島郡有明干拓地および白石、福富、鹿島地区においては貯蔵後のタマネギ乾腐病による大量の腐敗タマネギ(発生率10〜20%)の処理に苦慮している。筆者らは萩原の方法に準じて、タマネギ乾腐病菌の感染源の低減に防除対策の一方法として、罹病タマネギの嫌気的発酵処理を試みた。罹病タマネギをモミガラと畑土壌と混和して3重の塩化ビニールフィルムで密閉し、7月1日から8月20日までガラス室内で嫌気的発酵処理を行った。処理後、殺菌土壌と混和して育苗床を作り、タマネギ(品種さつき)種子を播種し、育成した苗を殺菌土壌に定植した場合には本病の発生はみられなかったことから、罹病残渣の無毒化には有効と思われた。しかしながら、本病に汚染した土壌に定植した場合には本病による発生が約14%に達し、本処理によって増殖した嫌気性菌による防除効果はほとんど期待出来なかったので、嫌気処理の一方法としてて苗床の湛水処理(6月20から8月20日まで)を行ったところ、タマネギ乾腐病の発生はかなり抑えることができ防除対策の一方法として有望と思われた。そこで、土壌病原菌である野菜の菌核病菌と白絹病菌の菌核を用いて、湛水処理による菌核の不活化を調べたところ、菌核病菌の菌核は7日目で菌核の表皮細胞の崩壊が起り、14日目でほとんどの菌核は消滅した。一方、白絹病菌の菌核はかなり安定で、30日目で崩壊・消滅した。その作用機作を知るため、崩壊した両菌核から菌の分離を行ったところ、両病原菌に抗菌性を持つ細菌が分離された。現在、本細菌の同定および菌核の表皮細胞を分解するセルラーズ活性について検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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