Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1987: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1986: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究の主眼は日住虫卵性肝肉芽腫形成のモデルを作成することである. 今回は第1に3種の虫卵, 即ち虫体からの産出虫卵, 感染動物組織から分離した生虫卵, その凍結乾燥虫卵の肉芽腫形成能を比較した. 産出虫卵と分離生虫卵は同程度の肉芽腫形成能であるのに対し, 凍結乾燥虫卵では有意に低かった. 組織学的に, 3者間の細胞浸潤の内容に差がなく, 上記の差異は虫卵内抗原含有量によるものと結論した. 第2に3系統マウス間における肉芽腫形成能について比較した. その結果, C57BL/6で明らかに組織反応が強く, C3H/Hlで一番小さかった. BACB/Cでは線維化が早期で, 且つ長期に続く傾向を認めた. 第3に感作マウスにおける肉芽腫形成について検討した. 初めに感作後の虫卵注入時期を調べた. C57BL/6へ分離生虫卵を10000コ皮下感作後, 1〜8週後凍結乾燥虫卵を注入し, 1週後の肉芽腫を観察した. 感作後2週より有意に強い組織反応を認め, それは8週まで持続した. 次に感作虫卵数を2000〜20000コの間で検討した. 感作後3週に凍結乾燥虫卵を注入し, 1週後に剖検した. その結果, 5000コ以上の感作群で有意に強い反応を認めた. C3H/Hlでも同様のことを確認した. 以上の結果, 日本住血吸虫虫卵性肉芽腫形成は明らかに免疫学的機序に基づいた組織反応であり, 凍結乾燥虫卵の使用は今後実験的に肉芽腫形成モデルを作成する上で有用な方法であることを示している.
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