先天性表皮水疱症の発症機序特に水疱惹起因子の同定とその活性制御機構について
Project/Area Number |
60570469
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高森 建二 順天堂大, 医学部, 講師 (40053144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 勝一 順天堂大学, 医学部, 助手 (10138307)
真鍋 求 順天堂大学, 医学部, 助手 (30138309)
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Project Period (FY) |
1985 – 1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1986: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1985: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 先天性表皮水疱症 / 発症機序 / プロテアーゼ / プロテアーゼインヒビターFOY-305 / 先天性表皮水疱症の治療 |
Research Abstract |
先天性表皮水疱症単純型(EBS)および劣性栄養障害型(RDEB)の発症機序については従来より定説はなかったが、我々は器官培養法および酵素学的実験から、1)EBSではある種の中性SH-プロテアーゼが、RDEBではコラゲナーゼ,中性SHプロテアーゼ,トリプシン様セリンプロテアーゼの3者がそれぞれ水疱形成に関与していること、2)RDEBの水疱形成にはこれら3種の酵素の協同作用が必要であること、3)RDEBのこれら水疱形成因子は、患者線維芽細胞より産生されること、4)EBS,RDEB患者皮膚では、中性SHプロテアーゼに対する阻害活性が低下していることなどを示し、本症は両型共、プロテアーゼの産生機構の異常あるいは活性調節機構特に阻害機構の異常により発症する可能性を示した。以上の結果に基ずいて本年度は、EBSの水疱形成因子の同定及び産生細胞の決定が目的であったが、EBS患者に相遇することが出来ず本実験の遂行は不可能であった。従って本年度は、RDEB患者のプロテアーゼインヒビターによる治療の可能性を実験的,臨床的に検討した。(1)臨床応用可能なプロテアーゼインヒビター(Trasylol,Foy-305,E-64)の水疱形成阻害能を器官培養法を用いて検討した結果、セリン系プロテアーゼインヒビターのFoy-305により特異的に水疱形成が阻害された。(2)Foy-305軟膏を作製し、患者(RDEB)に臨床応用を試みた結果、試みた3例のうち2例において、著明な水疱新生の減少を認めた。しかし、試みた2例において接触性皮膚炎が惹起された。今後、セリンプロテアーゼインヒビターだけでなく、SH-プロテアーゼインヒビターも含めて、臨床応用可能なインヒビターを見つけ、同様な検索を行うことにより、本症に対する発症病理に基づいた治療薬の開発を行ってゆきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)