Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1986: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1985: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
今年度は, epidermal growth factor(EGF), insulin-like growth factor-II(IGF-II), およびnerve growth factor(NGF)について検討した. まず, 胎児(仔)細胞培養系において, IGF-II, EGFはともに細胞増殖効果を示すが, 必ずしも用量依存的ではなく, 至適濃度の存在が示唆された. IGF-IIのヨード標識化が今年度は出来なかったので, IGF-IIの受容体についての検討は今後の課題となった. 一方, EGF受容体に関しては, 胎児(仔)の培養線維芽細胞とはじめ, 肝, 脳, 肺, 腸, 頭骨などの各臓器に分布するか, 肝において最も高かった. マウス胎仔の胎令による受容体の変化では, 肝と肺においては, 胎令の進行とともに上昇するか, 脳においては不定であり, 臓器により, EGFへの感受性に違いが認められた. 次に, NGFについては, ヒト胎盤より抽出, 精製した胎盤性NGFの生物学的活性を, NGFのreceptor assayにより確認したが, さらに, その生化学的な証明として, ラット上頸神経節や副腎におけるTyrosine Hydroxylase活性上昇作用を確認することができた. 本酵素活性はNGFにより制御されるが, NGFの効果には, 胎仔, 新生仔で差がみられ, NGFが周生期の神経系の機能分化に何らかの役割を果たしている可能性も考えられる. 一方, NGF受容体も, ニワトリ胚の脊髄後根神経命やラット上顎神経節に存在すること, これらの受容体は胎令とともに減少する傾向があることも明らかにされた. これらの知見も, NGFが胎児(仔)神経系の発育, 分化に重要な因子であることを示している. 胎児(仔)間質細胞由来の成長因子の精製については, 今年度は精製度を十分すすめることができなかった. 来年度以降の課題としたい.
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