ボイド中のポジトロニウム反応研究のための極低温-磁場中陽電子消滅測定法の開発
Project/Area Number |
60850121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷川 雅幸 東北大学, 金材研, 助手 (80005975)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | 陽電子消滅 / ポジトロニウム / バナジウム / ボイド / 照射損傷 |
Research Abstract |
1.16〜800Kの温度範囲、超高真空(【10^(-9)】torr)で角相関および寿命スペクトルを測定出来るシステムを製作した。極低温までの冷却は小型冷凍機およびクライオスタットを用いて行った。他方高温(<800K)加熱時の試料(バナジウム合金)の酸化を出来るだけ低く抑えるために、VG社製CCT-50V型液体窒素コールドトラップを用いた超高真空排気系およびチャンバー(角相関用および寿命用)を製作した。 2.極低温冷却や昇温時の寿命スペクトルを短期間(数時間程度)毎に測定出来るように、GP-IBインタフェースを利用して、データ処理記憶用パーソナルコンピュータにデータをとり込むように(フローピー・ディスク)した。また強い線源を使って計数率を高めた測定が出来るように、高速ディスクリミネーター(微分型)を使ったファースト方式の寿命測定システムを完成させた(従来はファースト・スロー式)。 3.上記の角相関および寿命測定装置を用いて、ボイド中のポジトロニウム(Ps)の挙動を調べ、以下のような結果を得た。 (1).角相関曲線のPsピークの温度変化を調べた結果、ボイド内のPsの重心運動は、高さ無限大、半径はボイド半径の井戸型ポテンシャル内の量子状態で良く表わされることが分った。 (2).Psピークの磁場依存性(5〜20KG)はほとんど認められないことから、ボイド内Psは極めて高い速度(〜【10^(10)】【sec^(-1)】)でスピン交換反応していることが分った。この結果は寿命スペクトルの解析結果ともつじつまが合った。 (3).Psピーク形成強度は、ボイド内表面のサブモノーレイヤーの酸素吸着によって敏感に変わることが分った。これらの結果は、本研究の方法が、ボイド内のガス原子分子(酸素、水素、ヘリウム)についての特徴ある測定手段(特に偏析)となることを期待させてくれる。
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Report
(1 results)
Research Products
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