Project/Area Number |
60850129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
金属材料(含表面処理・腐食防食)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 宏 東北大学, 国立大(その他), 教授 (20005838)
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Project Period (FY) |
1985
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1985)
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Budget Amount *help |
¥17,000,000 (Direct Cost: ¥17,000,000)
Fiscal Year 1985: ¥17,000,000 (Direct Cost: ¥17,000,000)
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Keywords | 高純度鋼 / 超高真空 / 蒸着 |
Research Abstract |
本研究では、超高真空蒸着一固体拡散法と高周波真空溶解法の2つの方法で高純度鋼を作製することを計画したが、研究経費と研究期間の大部分は、現有蒸着装置の改良による前者の方法にあてられた。 既有の蒸着装置では、蒸着させようとする金属をルツボ中で抵抗加熱溶解するため、1200℃以上の融点を有する物質の蒸着が不可能であった。そこで電子ビーム加熱方法による蒸着法に改めることとした。この改良には原理的な困難はないが、技術的に多くの問題が発生し、改良がおくれたが、予備実験の結果、下記のとおり所期の性能を有することが確認された。 蒸着開始前の真空度は【10^(-10)】torr台である。蒸着を開始すると当然真空度は低下するが、2×【10^(-10)】torr以下の真空中で蒸着が可能であった。ガラス基板上に、ニッケル、鉄、アルミナの順に、各200〜300Aの厚さに蒸着を行い、これについて、アルゴン・イオン・スパッタリングを併用したオージェ電子分光法により膜の厚さ方向への分析を行ったところ従来の【10^(-6)】torr台の真空中で行った蒸着膜に見られるような、酸素、炭素のまきこみ、特に異相界面へのこれらの不純物の附着は全く検出されず、きわめて清浄な蒸着膜であることが分かった。また基板上での厚さの均一度も5%以内の均一さを示した。これらの結果は、高純度鉄表面に各種金属を蒸着し、拡散処理によって高純度鉄合金を作製できることを保証するものである。 また、細い試料、薄い試料を高周波加熱することは、技術的に困難とされているが本研究費にて購入の高周波電源を利用して、すでに、0.5mm径の鉄の細線の加熱が可能であることを実証しており、拡散焼鈍についても問題はない。 以上のように、本研究の結果は十分所期の目的にそった試料の作製が可能であることを示している。
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