Research Project
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
本年度の実施計画は概ね順調に進行した。昨年度から引続いて行なっているカルボキシル基の選択的【^(13)C】ラベルは全ての残基について完了した。型石は少いものでも1g以上の【^(13)C】ラベルアミノ酸を確保し、蛋白質の構造研究の重要な基盤を提供している。特に合成の執行したアスパラギン酸についても比較的吸収量でフマール酸のラベル体を合成し、ついで固定化E.aoli菌体を用いてアスパラギン酸に変換するプロセスを用いて多量合成に成功した。現在はプロリンなど手持ち量の少いアミノ酸類について更に多量合成を続行している。また、【^(15)N】-ラベルアミノ酸についても味の素(株)中研の助力を得て10g以上のスケールで微生物発酵を利用して調整しつつある。一方、均一ラベルアミノ酸の利用技術は大幅に発展し、特に均一に【^(15)N】ラベルした菌体を加水分解し、その分解物に特定の【L_1】-【^(13)C】ラベルアミノ酸を添加して得られたSSIはJcnにより分裂したサラライト・シグナルのyを与え、多くの応用に有効に用いられる。現在はサグチリシンとの複合体形成時における切断結合のJcnの変化を精密に測定し、【P_1】訂位の歪yについて検討中である。また均一に【^(13)C】-ラベルしたアミノ酸の利用についても多くの初期的成果をあげ、本試験研究は極めて実り多いものとなった。次年度は最終年度ではあるが、将来の安定同位体ラベル手法の更なる飛躍の礎石を築くつもりである。
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