腫瘍マーカーとしての糖鎖特異的単クローン抗体の作成とその応用
Project/Area Number |
61010017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 克孝 東大, 医学部, 教授 (80072974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 亮 静岡薬科大学, 教授 (70046241)
内貴 正治 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (10020752)
谷口 克 千葉大学, 医学部, 教授 (80110310)
千谷 晃一 藤田学園保健衛生大学, 医学部・総合医学研究所・医高分子部門, 教授 (60179942)
広橋 説雄 国立ガンセンター, 研究所・病理部・実験病理, 室長 (70129625)
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Project Period (FY) |
1986 – 1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥19,300,000 (Direct Cost: ¥19,300,000)
Fiscal Year 1986: ¥19,300,000 (Direct Cost: ¥19,300,000)
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Keywords | 腫瘍関連抗原 / 単クローン抗体 / 腫瘍マーカー / 糖脂質 / 糖蛋白質 / 複合糖質 / 糖鎖抗原 |
Research Abstract |
細胞膜複合糖鎖が細胞の癌化,分化,増殖に伴って顕著に変化し、その変化が単なる結果ではなく積極的に細胞機能の発現とも関係あることが予想されている。これらの変化を把握する為にトレーサー実験や化学的分析以外に、現在最も高感度検出法とされる糖鎖特異的単クローン抗体が有用視されている。特に癌化に伴なって新しく発現するある種の糖鎖構造は癌関連抗原として認識され広範な研究が展開されている。当班ではこの様な情況にある癌関連糖鎖抗原に対する単クローン抗体の開発およびこれを用いた基礎的臨床的応用を企てることを目的としている。61年度においては(1)ヒト腸癌関連糖鎖抗原を認識する単クローン抗体を得抗原の分布抗原の決定基の構造を解明した。(2)大腸癌を免疫原に大腸癌患者より分離した高分子糖蛋白質と反応する単クローン抗体を選択し、NCC-CO-450,-47Oを得た。免疫組織化学的に胃癌大腸癌と高率的に反応するだけでなくCO-450は正常大腸粘膜全層の上皮細胞と反応しCO-470は大陽粘腸陰窩深部の上皮細胞とも反応した。CO-450の抗原はMw=7〜40万であり胃癌大腸癌患者腹水中に高率に検出された。(3)ラット腹水型肝癌および吉田肉腫においてフコシル【GM_1】【GD_(1e)】が腫瘍抗原であることを明らかにした。(4)他の実験動物癌およびヒト培養癌細胞(胃癌大腸癌肝癌)においてもPGおよびアシアロガングリオシド、【Le^x】構造を有する糖脂質が腫瘍関連抗原であった。(5)メラノーマ抗原である【GM_3】が蛋白質と複合体を形成する可能性のあることをキラーT細胞/抑制T細胞系を用いて示した。(6)癌患者血清中に複合糖鎖に対する抗体が高率に検出された。(7)成人型および胎児型フィブロネクチンの分子構造の比較及び成人型分子のCDNAの作成を行なった。今後得られた抗体を用いた抗原抗体測定系を開発すると共に、その有用性について検討を加え臨床診断への適用を企てる。又新しく見出された腫瘍抗原についてはその特異抗体の作製を行なう。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)