Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野山 靖人 大阪市立大学, 医学部, 教授 (90025544)
柄川 順 国立がんセンター病院, 放射線治療部, 部長 (10082091)
田中 隆一 新潟大学, 脳研究所, 教授 (30018816)
関場 香 岡山大学, 医学部, 教授 (90033042)
杉町 圭蔵 九州大学, 医学部, 教授 (00038762)
|
Budget Amount *help |
¥15,700,000 (Direct Cost: ¥15,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥15,700,000 (Direct Cost: ¥15,700,000)
|
Research Abstract |
8MHzRF誘電加温装置とAPAS型マイクロ波加温装置を用いて通常の方法では治癒不能と考えられた難治性悪性腫瘍を対象に、放射線あるいは制癌剤併用加温療法を行なった。放射線との併用の場合は2Gy週5回、計50Gy又は4Gy週2回、計40Gyに42.5℃30-40分間の加温を週1-2回、計10回行なった。集められた症例は63例で、その内訳は転移性腫瘍24例,軟部組織腫瘍7例,乳癌6例,直腸癌,子宮癌,肺癌,喉頭癌各3例,耳下腺癌,肝癌各2例,胃癌,前立腺癌,皮膚癌,上顎癌,頬粘膜癌,扁桃癌,膵癌,尿管癌,膀胱癌,口腔底癌各1例であった。腫瘍の占拠部位を体表面からの深さで分類すると、表在性(深さ3cmまで)22例,浅在性(深さ3-6cm)28例,深在性(深さ6cm以上)13例であった。放射線併用加温療法の効果を、腫瘍縮小率で判定した結果、完全退縮は63例中33例(52.4%),部分退縮25例(39.6%),無効5例(8.0%)であった。腫瘍効果と病巣の深さとの関係を調べると、表在性腫瘍の完全退縮率は68.2%,浅在性腫瘍53.6%,深在性腫瘍23.1%であり、病巣が深部になるに従って腫瘍効果が減少した。これは深部臓器に対する加温がなお十分でないことが最大の原因と考えられ、従って今後更に加温装置を改善する必要がある。 組織内加温療法については、電極針を病巣に直角に刺入し、電極間距離を3-4cmとし、8MHzRF誘電加温により加温する方法を開発した。本法により、病巣が限局性に、かつ均等に加温されることが示された。 腔内加温療法については、食道癌を対象に研究を行なった。すなわち、食道腔内に電極を挿入してRF誘電加温装置により加温し、これに放射線,抗癌剤併用治療を行ない、放射線+抗癌剤併用群と治療効果を比較した。その結果、病理学的にも、また2年生存率の上からも、加温併用群の方が明らかに優れた結果が得られた。
|