ヒトレトロウイルス感染リンパ球の遺伝子表現と宿主の免疫異常に関する基礎的研究
Project/Area Number |
61010067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
白井 俊一 順天堂大, 医学部, 教授 (30115860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 信志 京都大学, ウイルス研, 助教授 (60173085)
速水 正憲 東京大学, 医科研, 助教授 (40072946)
内山 卓 京都大学, 医学部, 助手 (80151900)
吉田 光昭 癌研究所, 部長 (80012607)
吉木 敬 市立札幌病院, 医長 (60220612)
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Project Period (FY) |
1984 – 1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥11,400,000 (Direct Cost: ¥11,400,000)
Fiscal Year 1986: ¥11,400,000 (Direct Cost: ¥11,400,000)
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Keywords | AIDS / ATL / HIV / HTLV-1 / IL-2受容体 / p40 / pX遺伝子 / レトロウイルス / SIV / STLV-1 / 多クローン性B細胞活性化 |
Research Abstract |
当研究班では、レトロウイルス感染に伴い、その感染細胞や宿主免疫系に発癌や免疫異常の発生に係わる如何なる変化が現われるか、またこれらの変化を如何にして修複できるかなどの点に関して基礎的研究を進めている。現在、HTLV-1の感染については、HTLV-1pX遺伝子について解折が進展し、この領域がコードする3種類の蛋白が明らかになった。このうちp40はtransactingにウイルス遺伝子の発現をはじめ種々の細胞遺伝子の発現を誘導することが明らかとなってきた。その1つは、IL-2受容体遺伝子の発現であり、ATLの発症機構との関連でさらに研究が進められている。このような研究をさらに進展させるための格好のモデル系も関発されてきた。1つは、免疫抑制剤投与を利用したHTLV-1持続感染系ラットであり、他はSTLV-1感染サルである。現在、これらのモデル系で種々の観点から、免疫機能の異常の解折のその修複の試みが進行している。一方、HIV感染にもとずく免疫異常の解折もレトロウイルスの持つ特有の性質との関連から始められた。その結果、感染性HIVの定量化が可能となり、HIV感染者の血清中の中和抗体を調べれるようになった。この方法を用いた検討から、HIVの亜系株間に中和抗体の認識する抗原性に差があり、ワクチンの開発上多くの問題のあることが分った。一方、AIDSにおける多クローン性B細胞活性化についても研究が始められた。HIVはB細胞には感染しない。しかも、抑制性T細胞が優位となるAIDSにおいてB細胞が活性化する。実際にHIV carrierにおいて自己抗体である抗DNA抗体が有意に高いことが明らかとなった。このような自己抗体の検索は、HIV感染に伴う免疫異常のmonitoringに適しているかもしれない。その機構については現在検討が進められている。HIV感染モデルとして、HIV類似のSIV感染アフリカミドリザルの免疫異常について検討が進められている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)