活性型ビタミンDによる細胞分化と発癌プロモーションの制御
Project/Area Number |
61010068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
須田 立雄 昭和大, 歯学部, 教授 (90014034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桃井 隆 国立武蔵神経センター, 研究室長 (40143507)
黒木 登志夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90006073)
粕壁 隆 埼玉県立がんセンター研究所, 研究員 (50152658)
高山 浩明 帝京大学, 薬学部, 教授 (00012609)
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Project Period (FY) |
1984 – 1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥8,300,000 (Direct Cost: ¥8,300,000)
Fiscal Year 1986: ¥8,300,000 (Direct Cost: ¥8,300,000)
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Keywords | 活性型ビタミンD / マクロファージの分化 / 発癌プロモーション / 分化誘導療法 |
Research Abstract |
活性型ビタミン【D_3】〔1α,25【(OH)_2】【D_3】〕による細胞分化とトランスフォーメーションの制御の機構について多角的検索を進め、以下の知見を得た。 1.1α,25【(OH)_2】【D_3】はマウス肺胞マクロファージ(MP)の融合を促し、多核巨細胞を形成させる。そのMφの融合過程に及ぼすポリアミンの影響を、ポリアミン代謝の各ステップに特異的な阻害剤を用いて検討した結果、スペルミジンがΜφの融合に密接に関与することが明らかとなった(須田)。 2.1α,25【(OH)_2】【D_3】の側鎖に酸素原子を導入した新規誘導体22-oxa-1α,25【(OH)_2】【D_3】の白血病細胞に対する分化誘導能と血清Ca上昇作用を検討したところ、この誘導体は1α,25【(OH)_2】【D_3】より強力な分化誘導能を示すにもかかわらず血清Ca上昇作用が弱いことが判明し、分化誘導療法剤としての有用性が示唆された(須田)。 3.ΜφにおけるビタミンD代謝について、25(OH)【D_3】を基質として検討し、10-oxo19-nor-25(OH)【D_3】および新規代謝産物である8,25-dihydroxy-9,10-seco-4,6,10(19)-cholestatrien-3-oneの産生を認め、各々の分離・同定に成功した(高山)。 4.マウス骨髄性白血病細胞(MI)を移植したマウスに1α,25【(OH)_2】【D_3】と抗白血病剤(化学療法剤)を併用投与すると著明な延命効果が認められた。また、抗白血病剤に耐性を示すクローンについて1α,25【(OH)_2】【D_3】の反応性を調べたところ、親株と同様な分化誘導能を示し、抗癌剤耐性の白血病への有用性が示された(粕壁)。 5.1α,25【(OH)_2】【D_3】はin vitroでのトランスフォーメーションを促進し、BALB3T3細胞の軟寒天コロニー形成を誘導するが、同時にc-ki-ras m RNAが増加することをnorthern blotting法により見い出した(黒木)。 6.CSF-I受容体であるc-fms遺伝子産物に対するモノクローナル抗体を作製し、HL-60細胞への反応性を調べたところ、未処理のHL-60細胞は陰性であったが、1α,25【(OH)_2】【D_3】によりΜφへの分化を促すと、抗体反応陽性となり、c-fms遺伝子の発現が示唆された(桃井)。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)