化学発がん過程におけるc-myc遺伝子活性化の関与
Project/Area Number |
61010095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
林 健志 国立がんセ, その他, その他 (00019671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊庭 英夫 東京大学, 理学部, 助教授 (60111449)
半田 宏 東京大学医科学研究所, 癌ウィルス研究部, 助教授 (80107432)
帯刀 益夫 東京大学, 薬学部, 助教授 (10099971)
長尾 美奈子 国立がんセンター研究所, 発がん研究部, 部長 (40100151)
上野 芳夫 東京理科大学, 薬学部, 教授 (00084418)
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Project Period (FY) |
1985 – 1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥10,700,000 (Direct Cost: ¥10,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥10,700,000 (Direct Cost: ¥10,700,000)
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Keywords | アフラトキシン【B_1】 / 肝がん / c-myc / 遺伝子増殖 / mRNAの代謝回転 / ヒトメタロチオネインプロモーター / アデノウィルスE1A / ラウス肉腫ウィルス |
Research Abstract |
1.アフラトキシン【B_1】によって誘発されたラット肝がんの全例にc-myc,c-Ha-ras遺伝子の発現亢進が見出された。この中の一例ではc-myc遺伝子の増幅が発見された。また、これら肝がんから得られた培養細胞では全て、c-myc遺伝子の発現がさらに亢進し、反対に、アルブミン等、分化関連遺伝子の発現が低下しており、c-myc遺伝子が、分化形質の抑制に働いていることが示唆された。一方、FeLV陽性ネコ白血病細胞7例中2例に、c-myc遺伝子の構造変化を発見した。 2.c-myc mRNAのin vivoにおける代謝回転を、アクチノマイシンD投与後の同mRNAの減少から推定したところ、約15分と非常に短いことが判明した。c-myc mRNAの不安定性は、その3´-末端の非蛋白質コード領域の塩基配列に起因することが、ラットc-myc遺伝子の各部分を含むキメラプラスミドを用いた実験から決定された。また、c-myc遺伝子上流数kbにわたって、同遺伝子転写をcisに調節する領域が存在することを証明した。 3.ラットc-myc遺伝子を、ヒトメタチオネインプロモーターにつなぎ、マウス赤白血病細胞に導入し、同細胞の分化誘導を、重金属による外来c-myc発現によって抑制させるのに成功した。また、c-mycと類似した性質を持つアデノウィルスE1Aが、同E4遺伝子の発現を調節する機構を明らかにしつつある。 4.マウス肉腫v-src領域を、c-またはv-fos遺伝子と置換し、ニワトリ胚細胞に導入することにより、fos 遺伝子を持つウィルスを、高い力価で得ることに成功した。このウイルスはCEF細胞をトランスフォームし、神経網膜細胞を増殖開始させた。このウイルスベクターは高い感染性を持つので、ニワトリを用いた遺伝子治療のモデル実験におけるベクターとして有用である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)