アルキル結合を有するリン脂質の腫瘍選択的細胞毒性発現のメカニズム
Project/Area Number |
61015018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 圭三 東大, 薬学部, 教授 (30072937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 真郷 東京大学, 薬学部, 助手 (10185069)
小林 哲幸 東京大学, 薬学部, 助手 (50178323)
工藤 一郎 東京大学, 薬学部, 助教授 (30134612)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
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Keywords | 抗腫瘍エーテルリピド / ヒト骨髄細胞 / 分化 / ヒト前骨髄系白血病細胞 / 選択的細胞毒性 / TNF / PAF / HL-60細胞 |
Research Abstract |
(1)腫瘍細胞選択的毒性について………エーテルリピドの示す細胞毒性は用いる細胞間で異なること、ヒト骨髄細胞を用いた正常細胞の感受性テストでも個人差が見られることが最近報告され、選択性を生化学的に論じるためには新たに評価系を構築する必要があった。本研究で、ヒト前骨髄球系白血病細胞であるHL-60とレチノイン酸(RA)処理したHL-60細胞について代表的なエーテルリピドであるPAFとET180【CH_3】の細胞毒性を調べたところ、未分化細胞がRA処理細胞に比べ約5〜10倍感受牲が高いことがわかった。RA処理HL-60細胞はヒト顆粒球様に分化していることが知られており、"正常細胞"のモデルと考えられる。この時5-FUについて同様の実験を行ったところ両者の感受性に差異は見られなかった。以上から、ある種のエーテルリピドは確かに腫瘍細胞選択的細胞毒性を示すと言えた。現在、多数の合成アナログについて腫瘍細胞選択性を評価中である。また、従来エーテル鎖切断反応に腫瘍細胞と正常細胞で著しい違いがあり、これが原因でエーテルリピドの腫瘍選択性が生じるとされていたが、この仮設は最近否定された。このため新たに、腫瘍選択性の作用点を明らかにする第一歩として、HL-60細胞とRA処理HL-60細胞のリン脂質量、リン脂質合成能を詳細に検討した。 (2)エーテルリピドによるTNF産生の惹起………選択的細胞毒性発現の機構の一つとして、宿主細胞由来の腫瘍選択的因子の関与を倹討した。モルモット腹腔マイクロファージをPAFあるいはET180【CH_3】処理したところ、培地中にL929細胞傷害性を示す因子(TNFと思われる)が産生されていることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)