パポーバウイルス発がん遺伝子産物と細胞内因子との相互作用
Project/Area Number |
61015022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有賀 寛芳 東大, 医科学研究所, 助手 (20143505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬川 薫 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30114523)
余郷 嘉明 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60092376)
山口 宣生 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90012723)
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Project Period (FY) |
1985 – 1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 1986: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
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Keywords | パポーバウィルス / DNA複製 / T抗原 / C-myc蛋白 |
Research Abstract |
パポーバウィルス発がんの中心的役割を果たすT抗原の機能を知るために同様に核内に存在し、細胞周期の調節を担っていると考えられているC-myc蛋白の機能を探り、T抗原と比較検討した。我々はSV40DNA複製系を応用して単離したアウス自律増殖フラグメント(DNA合成開始部位と同等)を利用して、C-myc蛋白が細胞DNA合成開始部位に結合し、細胞DNA複製を開始させる事を見出し、その証拠としてヒト細胞DNAよりC-myc蛋白結合部位としての自律増殖フラグメントを単離した。この際にDNA複製という観点からはC-myc蛋白とSV40T抗原は極めて類似している。実際に、SV40DNA合成開始部位を含むクローンはT抗原非存在下のC-myc蛋白を多量に発現しているHL60,Raji細胞で複製し、C-myc蛋がT抗原の代りをする事がわかった。一方、SV40DNA複製再構成系においては分子量6万程度のDNA結合蛋白の存在が必要である。また抗体を使った実験によりこれはC-myc蛋白である可能性がある。このようにC-myc蛋白はT抗原と同様な機能を持つと同時に、SV40DNA合成系に直接関与している可能性が高い。また、C-myc自身の発現にはT抗原遺伝子と同様に、その上流にC-myc蛋白が結合1調節している事もわかった。 また我々は同時にp53の機能も解析しているがこれもC-myc蛋白と同様であるらしい。以上総合的に判断して、T抗原による細胞DNA合成誘導等の細胞側変化はT抗原が直接細胞DNAに働きかけるというよりも、C-myc蛋白又はp53等力細胞由来の蛋白と結合して、それらの蛋白本来の機能によるものと考えた方がよいのではないかという結論に達し、今後検討したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(18 results)