ヒト・レトロウイルスのT細胞腫瘍化における2段階機構の解析
Project/Area Number |
61015051
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅村 和夫 東北大, 医学部, 教授 (20117360)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 正孝 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (30180392)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
|
Keywords | HTLV-I / IL-2 / IL-2レセプター / フォルボールエステル / Cキナーゼ |
Research Abstract |
HTLV-I感染ヒトT細胞はIL-2依存性に増殖し、これら細胞の中からIL-2非依存性増殖細胞株が得られる。このHTLV-I腫瘍化の第1段階におけるIL-2依存性増殖能獲得にはHTLV-I・px産物(p40)発現が重要であると考えられている。本研究では先づpx遺伝子発現を十分に行わせるためにそのプロモーターであるLTRの解析を行った。その結果これまで報告されていたu3領域に加えてR領域もpx発現に強く影響することを明らかにした。このLTR・pxをヒトT細胞(Jurkat)に導入することによってIL-2レセプター発現が誘導されることを2重染色蛍光抗体法を用いて確認したが、Jurkat細胞の中でもpx発現はあるがIL-2レセプター発現がみられないクロンも存在することから、pxによるIL-2レセプター発現は微妙に調節された条件下でのみ誘導可能であることが示唆された。なお正常T細胞へのpx遺伝子導入によるIL-2依存性細胞株の樹立は今後の大きな課題として残されている。 腫瘍化の第2段階におけるIL-2非依存性細胞への形質転換機構に関する解析の中で、IL-2依存性T細胞株の中からTPA or PDBu依存性増殖細胞株株(TPA-Mat)が樹立された。TPA or PDBu以外の腫瘍プロモーターの中でCキナーゼ活性化物質は例外なくTPA-Matの増殖を促進することから、TPA-Matの増殖シグナルはCキナーゼの活性化によるものと考えられた。従って、IL-2非依存性増殖機構の1つとして持続的なCキナーゼ活性化を考えることができる。現在、この点をさらに解析中である。また、正常T細胞、IL-2依存性細胞に、最終的に腫瘍化したT細胞遺伝子を導入する方法をさらに開発中である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)