癌化に伴う細胞骨格制御系蛋白質群の変化に関する研究
Project/Area Number |
61015056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
祖父江 憲治 阪大, 医学部, 助教授 (20112047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 敏彦 大阪大学, 医学部, 助手 (20163545)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 1986: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
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Keywords | 癌化 / 細胞骨格 / transformation / 4.1蛋白質 / カルモデュリン / カルスペクチン / アクチン |
Research Abstract |
細胞の機能発現には細胞運動性が伴うが、その物質的基盤は細胞骨格である。いっぽう、癌細胞では細胞骨格系が形態のみならず機能(殊に制御系)にも変化をきたしていると推測されている。従来、癌化に関する細胞骨格研究は、基本細胞骨格蛋白質(アクチンなど)の量的・質的(変異型)変化の検索が中心であった。しかし、細胞骨格機能維持には、その制御系因子が重要であり、私たちは本研究において、転移における異常な細胞運動性・細胞膜異常・無秩序な細胞増殖などの癌性変化を、細胞骨格とその制御という観点から追究している。すなわち発癌promotorによるtransformationをモデル系とし、基本細胞骨格蛋白質に加え、その制御に関与する一連の細胞骨格関連カルモデュリン結合蛋白質群(細胞運動性を規定するカルデスモン、細胞膜裏打ち構造を形成しまた核周辺部にも局在するカルスペクチン・サイトシナリンなど)を対象として、その分布・形態・機能変化を検討中である。 カルデスモンについては、transformationに伴う著明な細胞内局在変化を既に報告した。発癌promotorにより細胞膜流動性が変化するが、細胞膜裏打ち構造とその制御系の変化が一因であると思われる。そこで、免疫組織化学的検索をおこなったところ、transfornationに伴ない、細胞膜裏打ち構造を構成する細胞骨格関連カルモデュリン結合蛋白質(カルスペクチン・サイトシナリン・4.1関連蛋白質など)がアクチンと共に分布を変え、細胞形態変化が起きることを見いだした。また、細胞膜裏打ち構造の制御に関して、赤血球以外にも4.1蛋白質に似た蛋白質が存在し、この4.1関連蛋白質とカルモデュリンによってカルスペクチンとアクチンフィラメントの相互作用が【Ca^(2+)】依存性に制御されることを明らかにした。さらに、細胞膜裏打ち構造が細胞表面受容体の集合→Cappingに伴い変化することを見いだし、transmemoran controlの実体に肉迫しつつある。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)