標的臓器癌のステロイドホルモン依存性消失の分子機構
Project/Area Number |
61015058
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 文三 阪大, 医学部, 助手 (30124770)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 圭史 大阪大学, 医学部, 教授 (70028299)
西沢 恭子 大阪大学, 医学部, 助手 (10172652)
中尾 誠 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
古賀 正史 大阪大学, 医学部, 助手 (00186652)
野間 啓造 大阪大学, 医学部, 講師 (30093446)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
|
Keywords | エストロゲン / アンドロゲン / レセプター / 癌増殖 / 増殖因子 / マウスLeydig Cell Tumor / シオノギ癌115 |
Research Abstract |
本年度の計画のうち、(【I】)癌細胞中に通常のステロイドホルモンレセプターと異る性状を示すレセプターが存在すること、特にレセプター蛋白の燐酸化がホルモン結合能を維持する為に重要であること(【II】)エストロゲン又はアンドロゲン依存性増殖を示す癌細胞の無血清培養系を樹立し、性ホルモンは標的細胞癌を刺激し増殖因子を分泌させAutocrine Controlで癌増殖を刺激すること、(【III】)増殖因子の活性の定量法の確立等を報告した。レセプターの癌化にともなう変異に関しては、ホルモンに対する親和性が著明に低いレセプター、通常の条件ではホルモンと結合せず37〜45℃の高温下で結合可能となるレセプター等を同定した。前者のレセプター(エストロゲン系)は燐酸化蛋白で、細胞をバナジル酸(フォスファターゼ阻害剤)に露することにより高親和性(Kd【10^(-10)】M)に転換し、エストロゲンによる細胞増殖も低濃度(【10^(-10)】〜【10^(-9)】M)で最大刺激を得ることを明らかにした。又無血清培地系を用いエストロゲンやアンドロゲンで刺激される増殖因子はPDGF,EGFやInsulin-like grouth factorとは異ることを報告した。特にシオノギ癌由来のSC-3細胞から分泌されるアンドロゲン依存性腫瘍増殖因子は、分子量50〜60Kの熱に比較的安定な蛋白であることを示した。この増殖因子は陰イオン交換樹枝に吸着され、-SH還元剤で失活する蛋白であった。この増殖因子を添加することによりSC-3細胞の形態が敷石状から紡錘状に変化した。又マウスdeydig Cell Tumor由来の1つの培養細胞株でエストロゲン非刺激下でレセプターがクロマチンと強固に結合しエストロゲン依存性増殖因子を分泌することを明らかにした。以上本年度の計画の大略は行い得たと思うが今後の最重要課題として、性ホルモン依存性腫瘍増殖因子の構造決定の問題が残った。次年度は増殖因子に対するモノクローナル抗体の作成と遺伝子工学的手法による増殖因子の構造決定を試みたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)