フッ素を含む制がん剤の基礎的・応用的研究(低毒,高活性制がん剤合成の試み)
Project/Area Number |
61015103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
土屋 務 微生物研, その他, その他 (10163833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 美子 微化研, 生有研, 研究員 (60170411)
朴 海一 微化研, 生有研, 客員研究員
高木 泰 微化研, 生有研, 主任研究員 (10163180)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 1986: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | 制がん剤 / アンスラサイクリン抗生物質 / フルオロ糖 / 抗腫瘍活性 / ヘミエステル |
Research Abstract |
本研究者らは先に、2′位にフッ素基を3′位に水酸基を有するダウノマイシンおよびアドリアマイシン類似体、すなわち7-0-(2,6-ジデオキシ-2-フルオロ-α-L-タロピラノシル)-ダウノマイシノン(FT-DM)および-アドリアマイシノン(FT-ADM)を合成し、これらの化合物が強い抗腫瘍活性(FT-DM:T/C% 217,L-1210,2.5mg/kgマウス,ip,1〜9日投与;FT-ADM:T/C% >740,5mg/kg)と低毒性を有することを見いだしたが、本年度はFT-ADMをさらに大量に合成し各種生物試験を行ない、その有効性を確認した。しかし本物質は水に溶けにくい欠点を有するので水溶化を図るためにFT-ADMの14位水酸基にコハク酸、アジピン酸等炭素数4〜8の2塩基酸を半エステル結合した化合物を、FT-ADMの14-ブロム体を経て合成した。これらの誘導体はすべて水溶性となり抗腫瘍活性は全く失なわれず(1例として、FT-ADM 14-0-ヘミピメレート:T/C% >674,L-1210,5mg/kgマウス,ip,1〜9日投与)、かつ毒性も低いものであった。また上記FT-DMの2′-エピ-フッ素誘導体である7-0-(2,6-ジデオキシ-2-フルオロ-α-L-ガラクトピラノシル)ダウノマイシノンを、L-フコースから誘導される3,4-ジ-0-アセチル-2,6-ジデオキシ-2-フルオロ-α-L-ガラクトピラノシル ブロミドとダウノマイシノンとの縮合により合成したが、本化合物は全く制がん力を有しなかった。このことは2′位のフッ素基の立体配置と制がん力とが密接な関係にあることを示している。 今後は各種の2-フルオロ中性およびアミノ糖、フッ素以外の電子吸引基を含む糖を合成し、アンスラサイクリン誘導体に導くことにより高活性、低毒性制がん剤の開発を試みると同時に構造-制がん力との関連を追求する計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)