Project/Area Number |
61015110
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
金子 元久 国立がんセ, その他, その他 (30150882)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 隆 東京大学, 教養学部, 教授 (00012245)
児玉 昌彦 国立がんセンター研究所, 生物物理部, 室長 (00100149)
中山 勉 国立がんセンター研究所, 生物物理部, 研究員 (50150199)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1986: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 胆汁酸 / DNA鎖切断 / トポイソメラーゼ / タバコ煙 / 活性酸素 / チミングリコール / 遺伝子変換 |
Research Abstract |
本年度の研究計画として下記の研究を行った。 1ヒトの大腸がん誘発因子として疫学的に示唆されている胆汁酸は、白血球を活性化し、活性酸素を生成することが知られている。胆汁酸によって培養ヒト細胞に誘発されるDNA損傷が、活性酸素によるものであるか明らかにすることを試みた。その結果 各種胆汁酸のDNA鎖切断活性は胆汁酸の発がん促進活性と相関を持った。また 単鎖切断の誘発は各種活性酸素消去剤、アラキドン酸代謝阻害剤によっては抑制されず、活性酸素、過酸化脂質の関与は否定的であった。単鎖切断の80%は蛋白質-DNAのクロスリンクによるもので、しかも、トポイソメラーゼ阻害剤で抑えられた。トポイソメラーゼの介在を示唆する。 2たばこの煙中成分のトラップ液による酸化的DNA損傷は、煙中成分によって生成する活性酸素のみによっては量的に説明し切れない。活性酸素以外のどの様な成分が関与するか明らかにすることを試みた。その結果 活性酸素以外に、それ自体では鎖切断活性を持たないトラップ液中の揮発性成分が鎖切断誘発を促進することが分った。 3酸化的DNA損傷が生成することにより どの様な遺伝的変化が真核細胞に生ずるか調べる。特に染色体突然変異の可能性を検討するため S.cerevisiaeのtrp座位の遺伝子変換が過酸化水素によって誘発されるかどうか調べた。DNAの酸化的損傷のモニターとして、チミングリコール量を特異的単一クローン抗体を用いたELISA法を用いて定量した。その際スピードバックコンセントレーターを用いた。その結果、過酸化水素処理により、生存率にはほとんど影響を与えない低濃度で、濃度依存性を持ち遺伝子変換が誘発された。チミングリコール量も濃度依存的に生成した。酸化的DNA損傷が染色体突然変異をもたらすと考える。
|