アスベスト等粉塵の低濃度曝露による人体影響に関する分析電顕的・疫学的研究
Project/Area Number |
61030076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Environmental Science
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
原 一郎 関西医大, 医学部, 教授 (10148497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 邦彦 国立療養所近畿中央病院, 理学診療科, 医長
土岐 純子 関西医科大学, 医学部・第1病理, 助手 (40077681)
森永 謙二 大阪府立成人病センター, 調査部, 主査
桜井 幹己 大阪大学, 医学部・病理部, 助教授 (90028316)
神山 宣彦 労働省産業医学総合研究所, 職業病研究部, 主任研究官 (80133643)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | アスベスト / 分析電子顕微鏡 / 低濃度曝露 / 石綿関連疾患 |
Research Abstract |
アスベスト低濃度曝露の人体影響を調べるため、中皮腫23例及びその他の疾患17例について、分析電子顕微鏡を用いて肺内アスベストの種類の同定及び半定量を行った。試料はいづれも剖検例で健常側肺の下葉横隔膜面中央の隣接部分より1cm立方大の肺組織を採取し、これより20μm厚の切片を作成し,低温灰化後アスベストを含む残渣を電顕メッシュに移し電顕用試料とした。アスベストの半定量の基準は、(+++):比較的低倍率(×5000〜10000)で任意の視野から10本,(++):比較的低倍率で数視野以上観察して10本内外,(+):比較的低倍率でほぼ試料全体を観察,又は比較的高倍率(×20000)の観察で数本検出される、(-):試料の全領域を観察しても全くアスベストが認められない、とした。分析電顕による半定量の結果、中皮腫23例のうち19例にアスベストが検出された。うち3例は石綿工場勤務歴があり、アモサイトが(++)以上検出された。造船業に従事したことのある3例も同様アモサイトが(++)以上検出された。残る13例のうち6例に角閃石系アスベスト(アモサイド,クロシドライト,アクチノライトなど)が検出され、これらはすべて職業歴を検討すると職場でなんらかのアスベストとの接触の機会が在りうることが推定された。その他7例のうち長いクリソタイル繊維が(+++)検出された1例は職業曝露が考えられた。4例からはクリソタイルのみが(+〜++)以上検出され、2例からはクリソタイルが(+),1例からアモサイトが(+)検出された。対照17例のうちアスベスト(-)は12例,(+)4例,(+〜++)1例であった。これらの結果から、症例・対照間に明らかに肺内アスベスト量の差が認められるとともに、アスベストが(+)から(++)検出された例については非職業性の環境曝露が可能性が考えられた。アスベストが検出されなかった症例・対照についてはさらに精度の高い定量が必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)