Project/Area Number |
61035002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Environmental Science
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 幸雄 北海道大学, 工学部, 助教授 (00100058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村尾 直人 北海道大学, 工学部, 助手 (00190869)
橘 治国 北海道大学, 工学部, 助手 (90002021)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1986: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 土壌粒子 / 太陽放射 / 吸収係数 / 拡散反射率 / 黄砂 / 酸化鉄 / 酸化マンガン |
Research Abstract |
札幌市北大工学部グラウンド土壌,関東ローム,桜島火山灰土壌,中国の黄土高原土壌(黄砂),アリゾナ土壌等、19種類の土壌試料を収集した。これらを風乾後、粒径37μm以下にふるい分けして土壌粒子試料とし、さらに乳鉢で粉砕した後、標準白色粉体(Ba【SO_4】粉末)に少量混合した。この混合試料を粉体用セルに充填し、積分球付分光光度計を用いて拡散反射率を測定しKubelka-Munk理論により、λ=300〜700nmの波長域における土壌粒子の吸収係数(複素屈折率の虚数部)niを測定した。今回測定した19種類の土壌試料において、λ=400〜500nmの波長域での吸収係数が最も大きかったものは関東ロームのni=0.013であり、最小値は桜島火山灰土壌のni=0.002であった。以上のことから、太陽放射エネルギーの最も多い400〜500nmの波長域における土壌粒子の吸収係数は、おおよそ0.001〜0.020の範囲内にあるのではないかと思われる。また、関東ローム等の赤色の濃い土壌では400〜500nmでNiが大きく、波長が長くなるにつれてNiは急激に減少する。一方、灰色を帯びた土壌では、吸収係数はあまり波長依存性がない。また、春先にしばしば日本上空に飛来する黄砂(黄土高原土壌)は、薄い黄褐色を呈しており、λ=400〜500nmでNi=0.004,λ=700nmでNi=0.0025であった。これら土壌粒子に吸収性なわち着色を与えるものとして酸化鉄と酸化マンガンが考えられるので、土壌粒子試料中の鉄及びマンガンの含有量を求め、400〜500nmの波長域における吸収係数Niとの相関を調べたところ、鉄については、含有率をXFe(%)とすると回帰直線がNi=0.00083XFe+0.0021,相関係数0.68,マンガンについては、含有率をXMn(%)とすると回帰直線がNi=0.056XMn+0.001,相関係数0.79であり、いずれも吸収係数との間にかなりの相関が見られた。
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