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¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 1986: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Research Abstract |
乾電池は化学エネルギーを電気エネルギーに変換する優れた化学装置であり、亜鉛を用いる乾電池の亜鉛負極における水銀の特効薬的特性は代替できないものである。この水銀を完全回収して環境への放出を防止できれば、環境問題とエネルギー問題の解決に大きく寄与できる 本研究では廃乾電池中の構成元素の分布、特に水銀の放電に伴う分布を検付した。また、廃乾電池中の各化合物の加熱変化、水銀蒸気の発生量、温度を次に研究し、最後に放出された水銀の固定化法を検付し、以下の結果を得た。 1) 放電に伴いZn中のHgは負極から溶出し、乾電池全体に分布する。これはアルカリマンガン乾電池で顕著であり、強電解質のKOH飽和水溶液中での水銀の可溶性錯体生成に原因がある。このため乾電池の負極活物質のみを取り出し、Hg処理を行うことはできない。 2) 乾電池構成化合物の加熱挙動から、空気中ではZnO,【K_2】O,KMn【O_2】,【Mn_3】【O_4】が生成し、金属Zn,Mn,炭材は見い出せず酸化物混合体が得られた。全の水銀は1000℃では気化した。気化は酸化水銀が高温で水銀と酸素に分解しておこっている。一方、不活性雰囲気中で乾電池を加熱すると、ZnO,【K_2】Oの他に【MnO_1】炭材が検出されたが、金属Zn,Mnは検出されず、環元雰囲気で水銀の気化が生じていることが判る、この場合も水銀は完全に気化した。 3) 1000℃乾電池を加熱すると含まれる水銀は気化する。気化は300℃前後から開始し、乾電池の構造上、気化は数10分続く、このため気化した水銀の発生量は炉に投入直後最も大きく、負荷量に耐えられる水銀の固定化剤が必要である。固定化剤として硫化鉱物(ZnS,PbS),ゼオライト表面にSe,Te蒸着物等の検付を現在行っている。
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