Project/Area Number |
61035048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Environmental Science
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
太田 欽幸 広島大, 生物生産学部, 教授 (10034464)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 微生物フィルター / 硫化水素 / 無臭化微生物 / 悪臭公害 / 微生物脱臭 |
Research Abstract |
悪臭公害は早急に解決しなければならない重要な社会問題であるが、その対策は、他の公害に比べて非常に遅れている。その理由は、その対策が非常に難しく、しかも多大の設備と費用とを必要とするからである。われわれは数年来、悪臭性の農水畜産廃棄物を極めて短時間に無臭化する無臭化微生物群を見い出し、これらの微生物が臭気成分を酸化分解し無臭化することを見い出している。そこで、今年度は、臭気成分の中でも主要な硫化水素の無臭化を行う微生物を見い出し、適当な支持体に固定化しバイオフィルターを作成し、硫化水素の除去の実験を行った。無臭化微生物群の中から硫化水素除去能の高い細菌を分離し、これをRhodococcus sp.と同定した。本菌株を豚ふんに純粋培養し、これと多種多様の無臭化微生物群を含む混合培養物とで無臭化装置を作製し硫化水素の除去能の試験をした。その結果、純粋培養物の方が硫化水素除去能が1.5倍高く、250ppmの硫化水素を12【m^3】/kg/dayで12日間完全に除去した。これは、それぞれの臭気成分に応じた無臭化微生物を用いてバイオフィルターを作製した方が、より効率的であることを示す。ついで、本菌株を種々の担体の中からオガクズを選び固定化した。このバイオフィルターが硫化水素除去の為の至適水分量は38〜40%であり、110ppmの硫化水素を3.2【m^3】kg/dayで18日間完全に除去した。これは水分量を一定しない培養の3倍の能力を示した。水分量の調整に培地を用いると除去能は一層増強された。また、除去能を失ったフィルターを再培養するとその除去能は回復した。除去された硫化水素は、バイオフィルター内で単体硫黄、硫酸根及び亜硫酸根などに酸化されて無臭化されていた。固定化する菌数を変化させると、菌数が多い程硫化水素除去能は増大した。本菌株の1細胞当りの硫化水素除去量は硫黄に換算して、2.99×【10^(-9)】g-S/cellであった。本フィルターは活性炭と同等の硫化水素除去能を示した。
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