水環境保全のための水制御システムと生態的空間的秩序の形成に関する研究
Project/Area Number |
61035052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Environmental Science
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加藤 仁美 九大, 工学部, 助手 (80037936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 英美 西九州大学, 家政学部, 講師 (80155069)
坂本 紘二 九州大学, 工学部, 助手 (60038065)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1986: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 水環境 / クリーク / 水秩序の原理 / 生態的空間的秩序 / 多元的主体の形成 / 水環境情報の伝達継承、筑後川下流域土地改良事業 |
Research Abstract |
研究成果は以下の4点に要約される。 1.水制御システムの形成は伝統的な水秩序の原理を発見しそれらを現代の技術の中に応用していくことが基本的課題である。その為に、(1)水系の自立性を保持する。(2)点、線、面から成る水秩序の原理を応用する。(3)用水と排水の方向性、特にモタセによる制御を生かす、(4)構造物自体による制御に加えて、その運用におけるルール作りと相互調整を保証すること、等がとりわけ重要である。 2.水環境管理には、(1)水秩序に関わる配水管理と、(2)クリークの維持管理がある。(1)は集落を基礎集団とする汎市町村的な水利組合によって、(2)は集落や近隣組織で主要には担われてきた。しかし農業を主とした同質的集落の解体によって実質的管理主体は拡散しつつあり、一方土地改良事業で構想されている一元的集中管理では地域性と歴央性に富んだこの地域の水制御には具体的に対応できない。従って、クリークを水環境総体として捉え、従前の水利組合(或いは類似組織)や集落を中心とした多元的主体の形成と、相互のルールとコンセンサス作りが課題となる。更に環境に関する情報の伝達継承や環境教育の方法が検討される必要がある。 3.水環境総体として捉えた場合、その環境保全は生態系の調和という観点も要請される。今回はその為クリークの水生動植物の分布調査と水生動物による環境モニタリングを行ない、汚濁度を評定した。その結果水の自浄作用を助ける爲に自然の要素と適度な水生動植物が生想する環境が必要であることが認められた。 4.筑後川土地改良事業の新たな水システムにおける水制御上、環境保全上の問題を分析し、上記の研究成果に照らしてその解決の方途を考察した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)