A15型化合物超電導体の微細構造とピン特性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
61050033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Fusion Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長村 光造 京大, 工学部, 教授 (50026209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 庄治郎 京都大学, 工学部, 助手 (30111925)
松下 照男 九州大学, 工学部, 助教授 (90038084)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 1986: ¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
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Keywords | 超電導体 / ニオブ / 臨界電流 / 上部臨界磁場 / 焼鈍 / 歪効果 / スケーリング則 / ピン力 |
Research Abstract |
チタン添加【Nb_3】Snのピン特性を比較的高温で調べた。4.2Kでの結晶粒界の要素ピン力を測定した温度依存性より推定した。チタン添加【Nb-3】Snの要素ピン力は無添加のそれに比して高い値であった。この結果は【Nb-3】Snの要素ピン力は元素の種類と量を制御することにより最適化できることを期待させる。低温で微細結晶粒を形成させ、高温で上部臨界磁場をあげる2段熱処理を行なえばピン特性は改善できると考えられる。そこで2段熱処理の臨界電流におよぼす影響を広範囲にわたって調べた。その結果第1段熱処理が973K以下の低温であれば、1073Kの高温での第2段熱処理により臨界電流およびピン特性共に上昇させうることがわかった。またこの上昇の原因は、【Nb-3】Sn中の残留歪の解放と上部臨界磁場の上昇によるものであることもわかった。ピン力と結晶粒径および上部臨界磁場との関係を解析した結果、ピン力は粒径の逆数と【(1-h)^2】 【by-2】に比例することが判明した。ここでhは規格化された磁場である。室温で試料に荷重を負荷し、再び除荷すると、構成材間のヤング率や降伏応力の差によって残留歪状態を変化させることができる。【Nb_3】Snは他の構成材に比し線膨張係数が小さく冷却過程で圧縮歪状態となっているので、ピン特性は無歪のものに比して低い。しかし荷重負荷-除荷処理によりこの残留圧縮歪を解放すればピン特性をあげることができるはずである。このアイデアのもとに、実験および理論解析を行なった。その結果、適度な応力負荷は【Nb-3】Snの歪を零にし、ピン特性を上昇させることが実証さた。また臨界電流および上部臨界磁場は歪に関するスケーリング則によく従うことも明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
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