Project/Area Number |
61050044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Fusion Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
沢田 昭三 広島大, 原爆放射能医学研究所, 教授 (60034625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 典 放射線影響研究所, 室長
田中 公夫 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (70116622)
重田 千晴 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (10034654)
李 俊益 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (20175029)
佐藤 幸男 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (70034634)
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Project Period (FY) |
1985 – 1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥8,500,000 (Direct Cost: ¥8,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥8,500,000 (Direct Cost: ¥8,500,000)
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Keywords | ヒト甲状腺細胞 / ヒト赤芽球系幹細胞(CFU-E) / 骨髄細胞の染色体異常 / Balb-3T3細胞のトランスフォーメーション / マウス卵母細胞 / ラット胎仔奇形 / トリチウムシュミレーター / 無毛マウスの皮膚創傷汚染 |
Research Abstract |
トリチウムの生体に与える影響を色々な観点から調べ、ヒトに対するリスクを評価するための基礎的データを得ることを目的として以下の実験を行った。 1.バセドウ氏病患者から摘出・分離した甲状腺細胞に対するトリチウム水(以下HTO)の致死効果をガンマ線の結果と比較してRBEを求めたところDo比で1.74となり、前半度の実験で得たヒトの皮膚線維芽細胞におけるRBE(1.4)よりやゝ大きい値が得られた(中村)。 2.ヒトから採取した骨髄のうち赤芽球系幹細胞(CFU-E)に対するHTOの致死効果をコロニー法で調べガンマ線に対するRBEを求めた。両放射線とも線量の増加と共に細胞生存率は指数関数的に減し、RBEは2.9が得られた(重田、大北)。 3.ヒト骨髄細胞の染色体に対するHTOの影響を調べてガンマ線の結果と比較した。両放射線とも染色体異常頻度は線量と共に増加するが、0.5Gy以上ではゆるやかな上昇となった。HTOに特異的なことは染色分体型異常が染色体型異常に比べて3倍多いことであり、ガンマ線では1.5倍だった。ガンマ線に対するHTOのRBEは1Gyで染色分体型異常が2.7、染色体型異常ではほぼ1が得られた(田中)。 4.Balb-3T3細胞の癌化率を指標としてHTOの線量率依存性を調べた。2Gyを2cGy〜0.02cGy/分の線量率で照射したところ低線量率では若干発癌率が低下し弱い線量率依存性がみられた(榎本)。 5.マウス卵母細胞に対するHTOの致死効果のRBEをより正確に得るため【^(137)Cs】-γ線によるトリチウムシュミレーション照射と【^(60)Co】-γ線による均一線量率照射の結果と比較したが両者に有意な差はなかった(佐藤)。 6.しかしラット胎仔のシュミレーション照射では奇形発生率が均一線量率に比べて大幅に低下し、HTOのRBEは1.8〜2.6と増大した(李)。 7.無毛マウス皮膚の創傷からのトリチウム水蒸気の吸収速度を調べたが前年度行ったトリチウム水の吸収速度と類似した結果が得られた。(澤田)
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