Project/Area Number |
61055015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Fusion Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
菅野 昌義 長岡技科大, 工学部, 教授 (50010731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 義郎 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60176378)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
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Keywords | 焼結合金 / 水素透過 / 同位体分離 |
Research Abstract |
Ni-Al粉末焼結合金膜の水素透過機構とその同位体効果について明らかにするため、【H_2】-【D_2】混合ガスを試料として透過係数、同位体分離係数の温度依存性について検討した。焼結合金膜は、Ni-Al合金粉末とNi粉末を混合、組成の異なる6種のものを調整し加圧成形後真空ホットプレスにより焼結した。透過速度測定装置の膜保持部を金属フランジとCuおよびAlガスケットを用いた耐熱性の高いものに変更し、測定温度の上限を300℃まで増加させた。水素同位体の分離定量はガスクロにより、Mn【Cl_2】担持活性アルミナを充填剤としカラム温度77Kで行なった。 合金膜の水素透過速度は、室温〜100℃の低温領域ではガス圧の1乗に比例して増加し、吸脱着過程が律速であると考えられるが、温度が高くなると圧力依存性は1乗より低下し250℃では圧力の1/2乗に比例するようになった。温度の上昇とともに、律速過程が拡散過程へと変化したものと考えられる。透過ガスの同位体組成もこれに対応する変化を示した。室温では透過ガスは【H_2】と【D_2】でHDはほとんど認められないが150℃以上では温度の上昇とともにHDの分圧が増加した。これらのことから、高温においては水素分子の解離吸着速度が大きくなり原子状水素の拡散が増加し、それに対応して透過水素における同位体交換反応が増加したものと考えられる。一方H/D分離係数は低温の場合の方が高い値(最大1.8)を示し、HDが生成するようになる高温領域では逆に低下する傾向がみられた。これは通常の水素透過性金属膜とは逆の傾向である。これらの結果は、合金の組成よりも密度等構造的な面の影響を大きく受けるものと考えられる。 焼結合金膜は室温においても高い分離係数と透過速度を有しており、トリチウム分離用の膜材料として有望と考えられ、合金の種類を変化させた研究などをすすめる必要がある。
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