有機水銀化合物の特性を利用する炭素環および複素環天然物の合成
Project/Area Number |
61125001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白浜 晴久 北海道大学, 理学部, 助教授 (00000802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 毅 北海道大学, 名誉教授 (00000711)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | フムレン / 水銀塩 / 環化反応 / チルシフェロールの合成 |
Research Abstract |
1)水銀塩によるフムレン(【I】)の環化機構:シクロフムラノイドへの生合成では常に【I】の9位の二重結合が【H^+】によって攻撃され、【C_2】〜【C_9】に結合を作っている。しかし、【I】の二重結合の反応性は6位,2位,9位の順であることがわかっており、これを模倣しようとするとき如何にして一番反応性の低い二重結合から反応を起させるかが課題であった。これは水銀塩によって可能になったが、水銀塩は何故他の反応剤と異り9位の二重結合から攻撃を始めるのかという疑問に答えるためその機構を探った。その結果、水銀塩もやはり6位の二重結合から反応を開始しているが、生成物としては恰も9位のそれから反応したようなものを与えていることがわかった。【I】の種々の条件下における水銀塩の反応生成物を調べるとともに、水銀反応生成物のKBr処理で生ずる物質や、生成物をNa【BD_4】で還元してDの入った位置から水銀の作用点や作用様式を探った。また反応の中間体となると考えられるフムロールとβ-フムレンの水銀塩処理生成物も参考として、かなり込みいった反応機構を明らかにした。 2)チルシフェロール(【II】)の合成研究:【II】は海藻から単離された抗腫瘍性化合物で、スクワレンが環化して四つのエーテル環を作っている形の化合物である。分子の中心にある6員のエーテル環(C環)は歪が大きく、X線解析でボート型をしていることがわかっており、この環の形成が合成のポイントとなる。われわれは初めの二重結合とエポキシド、或いはアルコールの間で水銀塩によってエーテル環を組立てようとしたが困難があり、結局エポキシドのチタンテトライソプロポキシドによる開裂に伴う分子内のアルコールの攻撃によって構築した。本研究において、合成の鍵となるC環を含むA,B,Cの三環部分を合成出来たので、これに現在進行中のD環を作りつけることで全合成が完成する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)