モノクローナル抗体利用による上皮性癌の診断と治療に関する基礎的研究
Project/Area Number |
61210004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 嘉幸 東北大, 薬学部, 教授 (90072412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益子 高 東北大学, 薬学部, 技官(教務職員) (30157200)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥20,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥20,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000)
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Keywords | モノクローナル抗体 / 膀胱がん / 尿診断 / 増殖関連抗原 / Caイオノフォア / フォルボールエステル / IL-2受容体 |
Research Abstract |
1)がんの尿診断に有用なモノクローナル抗体の作成と応用:患者から得た腎孟がん及び膀胱がん組織並びに移植系ラット膀胱がん細胞をそれぞれ抗原としてモノクローナル抗体を作成し、そのうちから8種のモノクローナル抗体を選別した。これらの抗体の抗原特異性を検索した結果、4種は上皮性腫瘍に対して選択的に反応し、組織診断への有用性が示されたが、がん患者尿とは反応しなかった。一方、その他の4種のモノクローナル抗体は正常組織とも反応し、がんに選択性は示さなかったが膀胱がん患者尿と高率に反応した。膀胱がん並びにその他の尿路系腫瘍および疾患,前立腺がん,肝臓がん,胃がん,大腸がんなどの患者尿111例についての検査の結果、4種の抗体はそれぞれ特徴的な陽性パターンを示すもののそれぞれの抗体単独または組合せの使用により膀胱がん,前立腺がん,膀胱並びに腎臓結石の尿診断が可能であることが示唆された。また、これらのモノクローナル抗体の対応抗原の性質を検索した結果、いずれも糖蛋白または糖脂質抗原の糖鎖を抗原決定基としていることが判明した。 2)先に作成したモノクローナル抗体により全てのがん細胞並びに増殖時の正常細胞に表現されている細胞増殖関連抗原gp125を見出し、その性質を明らかにした。本年度はこの抗原の発現機構についてラットおよびヒトリンパ球とがん細胞を用いて検索した。正常リンパ球はこのgp125を殆ど表現していないが、レクチン刺激により細胞回転の早期に発現増加が起こる。この増加はCaイオノフォアまたはCキナーゼの活性化剤のTPA単独の刺激では起こらないが、両者の刺激では顕著な抗原増加が認められた。従って、本抗原の発現にはCaイオンおよびCキナーゼが関与していることが明らかとなった。またこの刺激によりgp125抗原はIL-2受容体に先駆けて発現することも示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)