Project/Area Number |
61211013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野依 良治 名大, 理学部, 教授 (50022554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 雅人 名古屋大学, 理学部, 助手 (50169885)
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Project Period (FY) |
1985 – 1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | エナンチオ選択的反応 / 金属錯体触媒 / 三次元空間識別機能 / 【C_2】対称 / BINAP / BINAL-H |
Research Abstract |
いわゆる生体関連物質においては二種の光学異性体のうち一方だけが目的とする有効な活性を示すことが多い。生物ないし生物化学的手法の利用とともに、優れたエナンチオ選択的反応の開拓は学術的および実社会的要請から焦点の一つとなっている。とくに微量の金属錯体触媒の化学機能を利用する不斉触媒反応はこの観点から理想的なプロセスと言える。本研究では、化学反応において高度な三次元空間識別機能をもつ典型元素化合物、遷移元素錯体の合理的設計とその還元機能開拓に問題をしぼり、全く新しい概念と方法論をもって目的を達成した。以下、具体的に述べる。 1.配位子あるいは修飾剤には、【C_2】対称群に属する軸性キラリティー分子の構造化学的特徴を活用し、中心金属にはロジウム,ルテニウム,アルミニウムを用いて、高いキラリティー認識能を有する金属錯体の設計を行ないその合成を実現した。具体的には、ビナフチル基を有するジホスフィン(BINAP)の新合成法を確立し、そのロジウムおよびルテニウム錯体の合成と構造解析を行った。同錯体を用いるα-アシルアミノアクリル酸,アリルアルコール,エナミド類の触媒的不斉水素化反応とアリルアミンの不斉-1,3-水素移動反応に成功した。1,3-水素移動に関して新しい反応機構を見出した。 2.光学活性ビナフトール修飾アルミニウムヒドリド錯体(BINAL-H)による各種カルボニル化合物の高選択的不斉還元に成功し、その一般性の確立と反応機構の考察を行なった。 3.上記錯体を用いて、プロスタグランジン,各種テルペン,アミノ酸誘導体,イソキノリンアルカロイドの合成に成功した。 本研究費は目的達成のために必要不可欠な反応試剤,重溶媒,化合物資材の購入に有効に活用した。本研究補助金により所期の目的は完全に達成されたことを報告したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)