高速イオン-固体薄膜衝突における多重放出2次電子の研究
Project/Area Number |
61212009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 泰規 東京工大, 原子炉工学研究所, 助手 (30114903)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | イオン / 荷電粒子と固体の相互作用 / 2次電子放出 |
Research Abstract |
1.多重放出二次電子相関器を設計し、制作に取り掛かった。 (1).大口径マルチチャンネルプレート(77mmφ)を購入し、その出力部にマルチアノード(96チャンネル)を設置した。 (2).上記のマルチアノードからの出力を取り出すため、超高速プリアンプ(【t_R】<1ns)を設計試作した。 (3).時間情報をとりだすため市販のものより数倍早いTAC(time to digital converter)を設計制作した。 (4).上記(1)〜(3)により得られる時間情報及び位置情報を取り込むためのdata処理系を導入した。 2.予備実験として、イオン-固体薄膜衝突に於ける放出二次電子の数分布を測定した。従来二次電子イールドとして平均値に関する報告例はあったが、その数分布について測定したのは今回がほぼ初めてと言える。 現在までのところ、(1)高速陽子イオン(0.4-2.5MeV)については、二次電子イールドが2-3の場合でも電子を一つも放出しない確率が数10%もあること、(2)二次電子イールドは標的膜の出口表面付近でのエネルギー損失に関係しており、分子イオンを使い入射エネルギーや標的膜厚を変えることにより、クラスターイオンのエネルギー損失について核間距離依存性に関する情報が得られること、(3)重イオンについては、二次電子の数分布はその出射荷電状態に依存すること、等がわかった。 3.次年度には、上記多重放出二次電子相関器を完成し、いろいろな衝突系に応用することを目指す。これにより荷電粒子-固体相互作用に関する種々相、とくに特に固体内に誘起されるwake potentialに関する情報が得られるものと期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
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