レーザー及びイオンスパッタリング過程に於ける高密度電子-正孔プラズマの役割
Project/Area Number |
61212012
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
並木 章 豊橋技科大, 工学部, 助教授 (40126941)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 保 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (70126944)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | レーザー脱離 / 高密度電子正孔プラズマ |
Research Abstract |
イオンスパッタリングの原子過程に電子的励起状態の寄与が指適されている。本研究の目的は半導体表面からのスパッタリング過程に対して、高密度電子正孔プラズマが果す役割を解明することである。本年度は、各種の化合物半導体を試料とし、レーザーにより高密度電子正孔プラズマを生成し、化合物の化学的特性がスパッタリングにどの様な寄与をするかを実験的に求めた。主たる実験結果は以下の通りである。 (1)〈レーザー閾パワー〉 表面脱離する為には、励起レーザーパワーにある閾値以上の値が必要である。Si,GaP,GaAs,GaN,CdSに対しこの閾値を求めると、化合物半導体のイオン度が大きくなると閾値は下ることが判明した。又、基板温度を上昇させるとやはり閾値は下ることがわかった。 (2)〈速度分布〉 スパッタ粒子の速度分布は、一般にMaxwell則度分布則からは逸脱し、化合物により大きく変化した。基板面に直角方向に脱離する粒子の速度ははやく、極角θを増加させるに伴いそれは遅くなった。 (3)〈放出粒子種〉 化合物半導体をMXと表示(M:金属原子,X:非金属原子)し、放出粒子を四重極分析計で同定すると、M,X,【X_2】が確認された。化合物のイオン度が大きくなると、【X_2】の収量がXのそれを上まわることが判明した。 以上の実験結果から、我々は、半導体表面のスパッタリング過程に於いて、原子の解離を駆動するものは、電子正孔プラズマ中での【X_2】生成力であるとの認識に到達した。電子正孔濃度が増加すると、結晶のイオン度が増大する。フィリップスの解釈によれば、化合物半導体はそのイオン度が0.785以下で安定であり、それ以上では不安定となる。結晶中の非金属原子間で【X_2】生成力が増大すると、イオン度の限界値0.785を越え、結晶が相転移を行う。これにより脱離が生ずる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)