培養甲状腺細胞のホルモン合成制御とカルシウムイオン動態
Project/Area Number |
61215004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
近藤 洋一 群大, 内分泌研究所, 教授 (70008598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正 公枝 群馬大学, 内分泌研究所・物理化学, 教務員
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 甲状腺刺激ホルモン / カルシウムイオン / FURA2 / エピネフリン / IAP / 培養細胞 / 甲状腺 / ヨウ素イオン |
Research Abstract |
甲状腺刺激ホルモン(TSH)の作用におけるCaイオンの関与の仕方は2種類ある。チログロブリンのヨウ素化(ホルモン合成)や糖の分解はCaイオンを必要とし、合成されたホルモンの分泌はCaイオンの存在により低下する。この相反する効果は、極性をもった細胞の両端で起こる2つの過程の、機構上の違いによると思われる。本年度はCaイオンの促進効果に焦点をあて、培養甲状腺における細胞内Caイオンの変動に関する基礎的検討を行なった。実験法 形態的極性を持たず、ホルモン合成能もないが、TSH依存性の増殖を行なうFRTL5細胞を実験系とした。Caイオン感受性の蛍光試薬Fura2を細胞内にとりこませ、撹拌子つきのセルを装備した蛍光光度計に細胞の浮遊液を入れ、各種の条件でCaイオンの時間変化を追跡した。 結果 (1)【10^(-5)】Mエピネフリン(E)によるCaイオン増加はα抑制剤により抑制、α2抑制剤,β抑制剤では抑制されない。又、αアゴニストにより同様の増加が認められるのでα1受容体による作用である。(2)【10^(-7)】MTSHによるCaイオンの増加はいずれの抑制剤にも影響されないが、TSHとEの連続投与の効果は相加的とはならず、両者はレセプターレベル以後でなんらかの共通反応系に関与していると思われる。(3)各種のCaイオンチャネル阻害剤はTSH,E両者の作用を抑制せず、細胞内のCaイオンプールからの遊離によると結論された。(4)TSHを除去した培養液で数日間培養するとTSHに対する感受性が増加し、Eに対する感受性が減少する。CAMPを加えて培養すると両者に対する感受性が減少する。(5)1mMヨウ素イオン,1μg/mlIAPによりTSH作用のみが著しく阻害される。結論 TSH,Eはそれぞれの受容体を介して、細胞膜Caイオンチャネルとは独立に、FRTL5の細胞内Caイオン動員機構を働かせる。TSH受容系は【G_1】,Eは【G_0】依存性と思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)