シャジクモの原形質流動調節におけるカルシウムイオンの動向と作用機作
Project/Area Number |
61215007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田沢 仁 東大, 理学部, 教授 (80028117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 義人 平安女学院短期大学, 助教授 (90074161)
三村 徹郎 東京大学, 理学部, 助手 (20174120)
新免 輝男 東京大学, 理学部, 講師 (80114510)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | カルシウム / カルシウムチャネル / 原形質流動 / シャジクモ / ニフェディピン / 膨圧調節 |
Research Abstract |
汽水産のシャジクモのシラタマモは通常人工海水を1/3にうすめた1/3人工海水で培養する。これを1/6人工海水にうつすと、膨圧が突如上昇するが、細胞内から【K^+】と【Cl^-】を排出することにより、浸透圧を下げ、膨圧を回復する。このとき、膜のコンダクタンスは一過的に急増する。1/3人工海水は3.9mMの【Ca^(2+)】を含むが、これを0.01mMに下げると膜コンダクタンスの急増も、膨圧調節もおこらない。このことから、膜コンダクタンスの急増は外液の【Ca^(2+)】存在によって始めて誘発されること、また膜コンダクタンスの急増が膨圧調節に必須であることがわかった。 そこで膜コンダクタンスの急増をひきおこす【Ca^(2+)】は外から作用するのか、それとも一旦細胞内に入って作用するのかが問題となる。低張処理を3.9mM【Ca^(2+)】存在下で行うと、流動は著しく阻害されるが、0.01mMでは阻害されない。また【Ca^(2+)】チャネル阻害剤のニフェディピンを作用させると膨圧調節は完全に阻害された。また液胞膜除去細胞をつくり、細胞内【Ca^(2+)】濃度を上げると、1μM以上で流動は阻害された。これらの事実は低張処理により、【Ca^(2+)】チャネルが活性化され、細胞質中の【Ca^(2+)】濃度が高まるため、流動が阻害されたことを示している。次に【Ca^(2+)】が正常細胞で、低張処理により増加することをより直接的に証明するため、【Ca^(2+)】で発光するタンパク質エコーリンを細胞質中に注射した後、エコーリンが流動で細胞内に均等に分布するのを待ち、低張処理を行った。外液に3.9mMの【Ca^(2+)】が存在するときは、強いエコーリンの発光が見られたが、0.01mMのときは見られなかった。このことは【Ca^(2+)】は外液より専ら由来することを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)