肝臓ミクロソームイノシトール-3-燐酸依存性カルシウムチャンネルの精製と機能特性
Project/Area Number |
61215012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日下 巌 東大, 応用微生物研究所, 助教授 (80013316)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | イノシトール-トリス燐酸 / カルシウムチャンネル / ミクロソーム / カルシウム / チャンネル蛋白の精製 / 【IP_3】 |
Research Abstract |
ラット肝ミクロリーム膜にBacillus cereusの産生する膜崩壊因子を作用させるとミクロソーム膜蛋白が遊離し疎水性蛋白塊を形成する。その蛋白塊を遠心分画により分離し大豆燐脂質(アゾレクチン)と共に超音波処理しミクロソーム蛋白をアゾレクチン人工膜小胞に再構成するとATPによるカルシウムの取込と取込まれたカルシウムの【IP_3】(イノシトール-1・4・5-トリス燐酸)による排出遊離活性が測定され【IP_3】-依存性カルシウムチャンネルのミクロソームからの分離が本法によって可能なことが判明した。そこでそのチャネル蛋白の精製へと歩を進めることとし先ず蛋白塊を6M尿素を含むトリス緩衡液に溶解して後、その溶液を156,000g、90分の遠心で上清をとって不溶物を除きその上清について硫安塩析を行ない硫安45〜65%飽和区分に回収された活性区分を再び6M尿素を含むトリス緩衡液に溶解し同溶液に対して透析後同溶液で平衡化したDEAE-トウヨウパールにチャージし0-0.3MのNaClのグラジエント溶出を行なって精製を進めた。活性蛋白は0.1M NaCl近傍に溶出されその溶出蛋白について精製度と活性特性の検討を行なった。 精製度の検定をSDS-PAGEによって調べると分子量68K,66K,52K,44K,35Kと32Kダルトンの計6種の蛋白の存在が明らかとなり更なる精製が必要であった。本蛋白群とアゾレクチンに【Ca^(2+)】/【H^+】 exchangerと共に組入れExchangerによってリボソーム内に取込ませたカルシウムを【IP_3】によって排出させるという方法で活性を調べると明らかに活性が観察されその比活性は本精製操作により約50培の上昇と算定された。【IP_3】を封入したリボソームに本活性蛋白を組入れるとその【IP_3】に依存したカルシウムのリボソーム内取込が観察され【IP_3】によって開かれるカルシウムチャンネルであることを確認した。平面膜法への適用についても検討を始め、平面膜に組入れた蛋白の【IP_3】による開閉反応が電気的に測定可能であることが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
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