グリア細胞成長因子に対するグリア細胞応答機構:カルモジュリン依存性細胞内反応
Project/Area Number |
61215027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田中 亮 名古屋市大, 医学部, 教授 (90094383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 仁一 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (60167260)
加藤 泰治 名古屋市立大学, 医学部, 非常勤講師 (60094364)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | グリア細胞成長因子 / 成長因子 / カルモジュリン / カルシウム / リン酸化 |
Research Abstract |
ウシ脳より精製されたグリア細胞成長因子(GMF)は分子量19KMr、等電点4.75の酸性タンパクで、ラットグリア芽細胞の増殖を促進し、引き続いてアストロサイト様形態に分化誘導する。今回研究者はGMFによるグリア芽細胞の形態分化が細胞内Caおよびそのregulatorであるカルモジュリンによりどのように制御されているかを検討した。GMF刺激による形態分化はサイトカラシンD(1μM)により促進されコルヒチン(50μM)により強く阻害された。これらの事実に加えて、NBD-ファラシジン、抗チュブリン抗体、抗GFAP抗体を用いた螢光染色観察によっても、GMFによる形態分化がアクチンケーブルの消失(脱重合)と微小管およびグリアフィラメントのbundle化により促進されることが示唆された。このようなGMF刺激によるグリア芽細胞の形態分化とそれに伴なう細胞骨格の変化はA23187存在下でのCaにより阻害された。しかしながら同時にW-7(50μM)が存在することによりこのような阻害は解除された。これらのことから細胞内Caイオンは形態分化に対しカルモジュリンを介して阻害的に作用することが示唆された。一方、24時間のGMF刺激(形態分化発現の直前)により、グリア芽細胞の【^(45)Ca】イオン取り込みが30〜40%抑制された。このような【^(45)Ca】イオン取り込みの抑制はW-7によりさらに抑制され、またCa拮抗剤であるベラパミルやニフェジピンによってもさらに抑制された。これらのことから、GMF刺激によるグリア芽細胞の形態分化に先行して、Ca取り込みが抑制され細胞内Ca濃度の減少が示唆された。また細胞内Ca濃度の減少はカルモジュリンの機能を抑制せしめ、このようなカルモジュリンの頁の制御が細胞骨格の変化を促進し、アストロサイト様形態への分化誘導に通ずるものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)