ウニ胚発生過程におけるCa^<2+>輸送機構の変化と発生機構との関連に関する研究
Project/Area Number |
61215033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
安増 郁夫 早稲田大, 教育学部, 教授 (10063421)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ウニ胚 / 発生 / 【Ca^(2+)】チャンネル / 【Ca^(2+)】拮抗剤 / プロテインキナーゼC / H-7 / 形態形成 / 骨片形成 |
Research Abstract |
ウニ胚での中胚葉細胞での骨片形成,外胚葉細胞でのプルテウス腕形成はプロテインキナーゼCのKi値に近い濃度のH7で阻害される。HA1004ではそのプロテインキナーゼAに対するKi値の数倍の濃度でも形態形成は阻害されない。ウニ胚での蛋白質のリン酸化はH7の形態形成阻害をおこなう濃度で阻害されるが、HA100Aでの阻害はない。H7による蛋白質のリン酸化阻害は、単離した中胚葉細胞で最も強く、単離外胚葉細胞でやや弱い。そして単離原腸細胞ではそのリン酸化の阻害はみられない。【Ca^(2+)】拮抗剤のウニ胚形態形成及び蛋白質のリン酸化に及ぼす効果は、H7とよく似ている。これらの物質の阻害効果が強い中胚葉細胞は、16細胞期に出現する小割球の子孫であり、単離した小割球を培養すると骨片形成細胞に分化する。この培養細胞では、虚足の伸張がおこり、虚足中の骨格胞にCa【CO_3】を主成分とする骨片が形成される。Ca【CO_3】形成機構に関与するイオン輸送系については、すでに明らかにした。虚足形成と蛋白のリン酸化は、培養細胞でも胚内と同じくH7のProtein Kinase Cに対するKi付近の濃度で阻害され、HA1004で阻害されない。又、【Ca^(2+)】拮抗剤もH7と同じ阻害をおこす。ミトコンドリアへの【Ca^(2+)】のとりこみを阻害して細胞内【Ca^(2+)】濃度を高めるルテニウムレッドは、骨片形成を阻害するが虚足形成を促進する。そして蛋白質のリン酸化も虚足形成促進と関連して活性化される。この細胞のProtein Kinase CはH7で阻害されるが、【Ca^(2+)】拮抗剤,ルテニウムレッドで影響されない。ミトコンドリア,及び非ミトコンドリア【Ca^(2+)】プールは【Ca^(2+)】拮抗剤で低下し、ルテニウムレッドによって後者が増加する。非ミトコンドリア【Ca^(2+)】プール量と蛋白のリン酸化,虚足成長速度は比例する。虚足成長にはプロテインキナーゼCによるタンパクのリン酸化が必要であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)