Project/Area Number |
61216004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丹羽 修身 京大, 理学部, 助手 (70144318)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ミニ染色体 / 動原体 / テロメア / 減数分裂 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は次の二つであった。すなわち、分裂酵母第3染色体動原体近傍領域に由来するミニ染色体Ch16の右腕あるいは左腕に欠失を導入し遺伝学的挙動に与える影響を検討すること、および、第1,第2染色体に由来するミニ染色体を新たに作成することである。まず第一の目的については、右腕および左腕に存在するそれぞれ二つのマーカーの同時消失を指標として、ガンマ線照射後の細胞を選択し、目的とする欠失派生体を分離できた。たとえば、元のCh16が530キロ塩基対(kb)のDNAからなるのに対し、右腕の大部分を欠失したCh12は280kb、左腕の大部分を欠失したChR32は340kbであった。この結果、第3染色体動原体の機能部位を、これらのミニ染色体派生体に共通に含まれる約90kbの領域内に限定することができた。短くなったミニ染色体は一般に有糸分裂においてとくに不安定ではなかったが、ChR32だけは不安定であった。分析の結果、ChR32は動原体領域に特異的な反復配列の一部を欠失していることがわかり、今後この反復配列の機能を探る手掛りが得られた。研究の過程で、右腕が約200kb長くなった派生体ChS28も得られた。この長くなったミニ染色体も含めて、減数分裂におけるミニ染色体間の対合の効率を測定したところ、遺伝学的長さに依存すると考えられる対合効率が観察された。すなわちS,Ch12ではほとんど対合が起らないようでありChS28では逆に、元のCh16より対合効率が2〜3倍になると考えられる。ミニ染色体の構造を解析する上で、その末端配列を決定することは必須であるが、本研究においてCh16およびCh12の右腕末端を含むゲノムDNA断片をクローン化できた。その結果、ミニ染色体の末端は染色体切断後にテロメア配列がde novo合成により付加されて形成されたと示唆された。第二の目的については成功していないが、新しいミニ染色体作成のための選択マーカーの作成を一部完了した。
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