下垂体プロラクチン分泌調節に関与する神経ペプチドとその相互関係について
Project/Area Number |
61218005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 譲 京大, 医学部, 講師 (90030965)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 下垂体プロラクチン分泌 / TRH / PHI / VIP / 神経ペプチド / 受容体 |
Research Abstract |
下垂体プロラクチン分泌調節には、種々の視床下部因子が関与することがしられている。我々はすでに、TRH、VIP、PHIなどの神経ペプチドがプロラクチン分泌促進因子として作用することを明らかにした。本研究ではこれらの神経ペプチドの相互関係についてさらに検討を加えた。 ラット下垂体細胞静置培養系において、TRH、VIP、PHIはいずれも【10^(-9)】〜【10^(-7)】Mで用量反応的にプロラクチン分泌を促進させた。低濃度のVIP、PHIは相加的なプロラクチン分泌促進作用を示した。しかし【10^(-7)】MのVIPの作用はPHI【10^(-7)】Mの添加によっても増強されなかった。 ラット下垂体遊離細胞灌流系において、TRH、VIP、PHIの添加はプロクラクチン分泌を明らかに促進した。VIP【10^(-7)】M添加持続下ではTRHの添加はプロラクチン分泌を促進したが、PHI【10^(-7)】Mの添加は明らかな効果を示さなかった。逆にPHI【10^(-7)】M添加持続下ではTRH添加によるプロクラチン分泌促進作用は認められたが、VIP【10^(-7)】Mの添加は明らかな効果を示さなかった。 ラット下垂体ホモジネートを超遠心して得られた細胞膜分画を用いて、【^(125)I】標識VIPの結合能について検討を加えた。【^(125)I】-VIPの特異的な結合はTRHの添加によって影響を受けなかった。VIPの添加は【^(125)I】-VIPの結合を用量反応的に抑制した。さらにPHIの添加によっても【^(125)I】-VIPの特異的な結合は明らかに抑制された。 これらの成積から、下垂体プロラクチン分泌細胞には、TRH、VIP、PHIが作用するが、TRHと後2者との間には作用機序の著しい相違が存在するのに対し、VIP、PHIは同一の受容体を共有するか、極めて類似した受容体を有することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)