Project/Area Number |
61219011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 国寛 京大, 医学部, 助教授 (00027070)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | グルタミルリボース-5-リン酸蓄積症 / ADP-リボシル化蛋白質 / 先天性代謝異常症 / ポリADP-リボース / ADP-リボシル蛋白質リアーゼ / 5′-ADP-3″デオキシペントース-2″-ウロース |
Research Abstract |
二年前発見された新しい先天性代謝異常症「グルタミルリボース-5-リン酸蓄積症」の発症機序を明らかにするために、本症患の患者から分離された線維芽細胞について、最も関連の深いと思われるADP-リボシル化蛋白質の代謝系諸酵素活性を解析した。比較のために患者の両親、および対照として同年令の正常人の細胞を用い、いずれも細胞を超音波破砕して得たホモジェネートを測定対象とした。まず、合成系の酵素、ポリADP-リボースシンテターゼ(〔【^(14)C】〕NADから酸不溶性分画に取り込まれる【^(14)C】で測定)、および分解系の二つの酵素、ポリADP-リボースグリコヒドロラーゼ(〔【^(14)C】〕ポリADP-リボースからの酸不溶性【^(14)C】の消失で測定)とホスホジエステラーゼ(p-ニトロフェニル-TMPからのp-ニトロフェノールの生成-【A_(590)】の増加-で測定)の三活性は、患者,両親,対照(三例)の間で有意な差が認められなかった。もう一つの分解系酵素、ADP-リボシル蛋白質リアーゼ、の活性も、〔【^(14)C】〕ADP-リボシルヒストンH2Bからの酸不溶性【^(14)C】の消失で測定する限り、患者、両親、対照の間で有意差が認められなかったが、反応生成物の解析から、用いた条件下では上記基質がリアーゼよりもホスホジエステラーゼによって優先的に分解されることが判明した。そこで、ホスホジエステラーゼ活性の大部分を5mMAMPで阻害した条件下で反応を行なわせ、その生成物をダウェクス-1のカラムにかけて、リアーゼの特異的反応生物である5′-ADP-3″-デオキシペントース-2″-ウロースを分離定量した結果、対照に比して、患者の細胞の本酵素活性が有意に低いことを示唆する予備的実験成績を得た。今後、さらに詳しく条件を検討した上、この成績を確認するとともに、ADP-リボシル蛋白質リアーゼの異常な活性低下の遺伝的背景を追究する予定である。
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