遺伝性メトヘモグロビン血症の赤血球型と知能障害型の病態に関する研究
Project/Area Number |
61219019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
竹下 正純 大分医大, 医学部, 教授 (50019551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 実 大分医科大学, 医学部, 助手 (00128349)
吉田 敏 大分医科大学, 医学部, 助手 (50158440)
指吸 俊次 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00019564)
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Project Period (FY) |
1985 – 1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 遺伝性メトヘモグロビン血症 / NADH-チトクロム【b_5】還元酵素 / 全翻訳配列 / アミノ酸配列 / 赤血球型と知能障害型 / 極長鎖脂肪酸 / 脂肪酸伸長反応 / リグノセリン酸水酸化反応 |
Research Abstract |
遺伝性メトヘモグロビン血症が赤血球型(タイプ【I】)、知能障害型(タイプ【II】)の多型を示す遺伝的要因、および脳障害の機構を分子レベルで明らかにするために、遺伝子解析および脳脂質代謝機構の解析を行った。 1.ファージλgt11で構成したヒト肝cDNAライブラリーから、NADH-チトクロム【b_5】還元酵素をコードするcDNAをクローン化し、ヒト赤血球の同酵素の抗ウサギ抗体でスクリーニングを行う方法で、同酵素の大部分の翻訳配列を含むcDNAを分離した。更にヒト胎盤ライブラリーから、5′末端部分をカバーする配列を含むcDNAクローンを分離した。これらの塩基配列を解析して、ヒト赤血球チトクロム【b_5】還元酵素の全翻訳配列および、ヒト肝における同酵素の膜結合部と考えられる19アミノ酸に相当する配列を含むcDNAの塩基配列を決定した。このcDNAの塩基配列から得られたアミノ酸配列は、赤血球の同酵素の全アミノ酸配列と完全に一致した。以上の結果から、ヒト赤血球および肝の酵素は同じ遺伝子によってコードされていると考えざるをえない。従って、本症の赤血球型は、本酵素のプロセシング過程の障害、または遺伝子の変異により不安定な酵素ができたためと考えられる。他方、【II】型は本酵素遺伝子の変異によって、赤血球型、体細胞型両酵素の活性が欠損したものと考えることができる。 2.遺伝性メトヘモグロビン血症の脳障害に関連して、ミエリン形成にかかわる極長鎖飽和および不飽和脂肪酸の脳における伸長反応を検討し、アラキジン酸(20:0)から22:0,24:0に至る脂肪酸伸長反応に、2つの平行する経路があること、更に20:4から24:0の経路も2つあることを明らかにした。また、ミエリンを構成する極長鎖ヒドロキシ脂肪酸の形成をリグノセリン酸水酸化反応で検討し、ミクロソームのチトクロム【b_5】還元酵素系の関与を示唆する結果を得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)