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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,次の3つのテーマを立てている。(A)談話における質問表現の文型,(B)談話における命令・要求表現の文型,(C)平叙・質問・感嘆表現における助詞「は」と「が」の用法。 文型と発話状況,通達上の機能の関係を網羅的に整理する(62,63年度)ための予備的調査を行った結果,次のことがわかった。 1.テーマ(A)(B)-質問表現,命令・要求表現-に関して。 (1)命令・要求表現と平叙表現との間に一線を画することは比較的容易であるが,質問表現と平叙表現の間には明確な一線を引きにくい。 (2)要求を持つ発話が相手に何かをさせる強制力の生起のメカニズムは,質問表現(回答要求)と命令表現(行動要求)とで大きく異なる。 (3)質問は,ある発話が相手に言語的反応を求めること一般の中の一つの場合として位置づけるのが妥当である。 (4)命令・要求表現は「ないものを求める」という広義希求表現の一つの場合として位置づけるのが妥当である。 2.テーマ(C)に関して。 (1)狭義感嘆表現(驚き,感動など心の動きそのものの表現)には,「が」のみを使う。 (2)質問表現における両助詞の使い分けは,平叙表現の場合とほぼ同じだが,次の場合に限って重要なちがいがある。 (【i】)存在・出現の意味の述語を持つ場合,(【ii】)可能の意味の述語を持つ場合この2つの場合,特別な気持ちのかからない"無色"の平叙表現では「が」を使うのが普通であるのに対し,"無色"の質問表現では助詞ゼロの文型が使われる。
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