自然言語の統語論および意味論の形式化と機械処理の試み
Project/Area Number |
61220011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
白井 英俊 玉川大, 工学部, 講師 (10134462)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 句構造文法 / 構文解析 / 条件付きユニフィケーション / 状況意味論 / 照応 |
Research Abstract |
1.日本語の句構造文法の開発 日本語の基本的な構文を対象に、その統語構造を分析して、一般句構造文法に基づく文法体系を構築する試みを行った。その結果、かなりの範囲の言語現象がこの文法理論の枠組で記述できることが明らかになった。何よりも大きな成果は、統語範疇を統語素性の束として扱い、句構造における素性間の関係に注目することにより、日本語の基本的な統語構造を数個の統語規則と原素で記述する事ができる事が示された事である。またこの文法理論は統語範疇同士の同一性を「ユニフィケーション」によって定義しているのが、この概念を実現する際の問題点などが明らかになった。 2.句構造文法に基づく構文解析手法の開発 上述の「ユニフィケーション」を効率的に実現するためのアルゴリズムを開発し、計算機上に実現した。これは従来の概念の一般化になっており、条件付きユニフィケーションと呼んでいる。変数を含むパタン同士を、その変数に対する条件を考慮してユニファイするため、パタンが表現しうる可能なパタンすべてが宣言的に記述されるという利点がある。計算量の点からも、従来のバックトラックによる数え上げ法よりも効率的である事が示される。 現在、日本語と英語の基本構文を解析するシステムを構築しており、次年度以降で扱う構文の対象を拡張する事とシステムの評価を行う予定である。 3.状況意味論に基づく照応の扱いの研究 意味や文脈を形式化するための試みとして、状況意味論に基づく研究を行った。本年度は特に、言語学者が従来統語的な枠組で議論していた照応の扱いについて、意味論の枠組からその規則性の記述を行い、有効性を示した。次年度はより一般的な意味の記述を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)